蜜白玉のひとりごと
もくじかこみらい


2008年07月09日(水) 散歩の効用

我が家の移動手段はもっぱら歩きか自転車だ。さらに遠くなら電車。車を持っていないし、これから先買うこともたぶんない。都心に住んでいれば必要ない。ふたりともペーパードライバーだからというのもあるけれど、車に乗りたきゃ練習すればいいだけのことで、そうしないというからには、やっぱり車があまり好きではないということだろう。スピードが速すぎるし(道端の景色がよく見えない)、酔うし(これはどうにもならん)、怖いし(自転車に乗っていると乱暴な運転の車が気になる)、お金がかかる(駐車場とか税金とかガソリンとか)。まあ便利なのだろうけれど、私たちの生活にはなくてもいいな。

だから、ふたりでよく歩く。

平日は朝一緒に家を出て、駅までずんずん歩く。歩道が狭いうえに駅へ向かう人がたくさんいるから、横並びでは歩けない。前と後ろで1列になって時折、あついね、とか、ねむいな、きょうこそはやくねよ、とかぼそぼそしゃべりながら18分発各駅停車に乗るべく早足で行く。この頃はつばめの様子を見るのが習慣で、今日も親鳥はじっと卵を温めている。ヒナがこわごわ巣の外に顔をのぞかせるまでにはまだありそうだ。

休みの日は適当に散歩に出る。というより、外に出ればそれが散歩だ。目的地があるときもあればないときもある。とりあえずローソン、なんてのもある。平日よりもだいぶのんびり歩く。寄り道もまわり道もOKだ。公園に集まっている人たちを見に行ったり、売り出し中の一戸建てが売れたか見に行ったりする。歩く道はどこでもいいのだ。一緒に歩いてくだらないことをしゃべって笑う。

私たちはよくしゃべる。ふたりとも話したがりで、お互いにいい聞き役だ。外を歩きながら話すのは、自由な感じがして好きだ。壁も天井もないから声は発せられた途端にどこへともなく吸い込まれて消えていく。重い話はそれほど重くなく、軽い話はさらにかろやかになる。

ローソンで立ち読みして、ロッピーでポイントを確認して、ひやかしでからあげくんなんか買ったりして、それでまたまわり道して帰る。


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