蜜白玉のひとりごと
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寒くなると左手の薬指の爪が紫色になる。涼しいのか寒いのかの分かれ目は爪の色でわかる。体からの寒いの信号。どうも人より早くに寒いと感じるようだ。昨日はお昼過ぎから降り出した雨がずっと降り続いて、日が沈んで暗くなってからはどんどん肌寒くなった。寒い信号が出たので靴下をはいてストールを肩からかけて家の中をぞろぞろと歩く。
冬の間はこのストールを引き連れて移動する。肩からかぶったり、腰に巻いたり、膝にかけたり、家の中なら何でもありだ。明るいラベンダー色で、長方形の少し厚ぼったいウールのストール。7、8年前に2000円くらいで買ったもので、はじめはマフラーとして折って使っていたのが、厚くて扱いに困りいつのまにか家用になった。たいしたものじゃないけど、とても気に入っている。これがあればとりあえずあたたかくて安心なのだ。旅行の時には一緒に行く。
10月もまた私に断りもなくどんどん進んでいく。今朝も雨。
昼休み、パンにかぶりつきながら、知ってる人知らない人、いろんな人の日記を読む。自分のも、他人のも、日常は同じようで同じじゃなくておもしろい。そして4人目の日記の途中で、ああ!どうせなら好きなように生きよう!と何の脈絡もなく、でもつよく思った。目の前がパッと開けた感じ。ときどきこういうことがある。何となくうじうじと考えていて、煮え切らないような気分が続いたあと、全然関係ないところでそれがプツンと途切れて、それまでのことが取るに足らないように感じたり、急に落ち着きどころが見つかったりする、そんなようなこと。
仕事とか人間関係とか、たくさんの制約の中にいるのだから、せめてそれ以外では(場合によってはその中でさえも)、自分のやりたいことをやりたいようにやろう。我慢しない。無理しない。
週明け早々、たくさんのため息と愚痴を浴びせかけられてうんざりしていたところを、誰かの書いた文章を読んで少し救われた気がした。これくらいのことですぐに毒されてしまう私も私だ。もっとテキトーでありたい。
それにしても。
土日であれだけリフレッシュして、すがすがしく楽しい気分だったのが、24時間もたたないうちにすっかりしおれてしまうなんて、一体どんな毒なんだ、と思わずにはいられない。
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