蜜白玉のひとりごと
もくじかこみらい


2006年09月09日(土) ちょっとした回想

秋だ秋だと騒いでいたら、秋は顔を引っ込めてしまったようだ。東京は朝から蒸し暑い。このところ、ずっとそんな天気だ。夏の暑さに疲れた体へ、追い討ちをかけるようなこのべたべたした暑さ、どうにかならないものか。

まるがツクツクホーシに返事をしていることに気づく。ツクツクホーシ、チュン。ツクツクホーシ、チュン。セミの姿は見えないけれど、窓の外に向かって健気に鳴いている。

久々に、いや本当に、前に更新作業をしたのがいつだったか思い出せないほど久々に、「ひとりごと」以外の部分を整理して更新する。まだ江國さんの小説に夢中だった頃、一生懸命に作った講演録や読書録。ふだん、自分で見ることはないので、なんだか懐かしくて、作業しながらも頭の片隅であの頃を振り返る。

たくさんの時が経って、もうすっかり過去のことになったからかもしれないけれど、なんだか昔の私は今よりずいぶんぼんやりとして非現実的で、頼りなく、孤独で一途だった。今の自分とあの頃の自分が一本の線でつながっているなんてとても思えない。まるで他人事のように遠く隔たれた感覚。でも不思議な話、昔も今も私は私で、それってなんか・・・変なの。

結婚してからの生活は、一日の大半を仕事に取られ、残った時間は家事だ何だで、毎日「何が」というわけでもないのにこまごまと忙しい気がして、日々あわただしく繰り返すうちに、いつの間にかそういうふわふわした頼りない自分をどこかに置いてきてしまったようだ。悪くはないんだけど、使い物にならなかったということだろうか。嫌いじゃないんだけど、扱いに困ったとでも言うべきか。

人は変わる。「変わりたい」と思って少しずつ変わることもあるし、特に望んだわけでなくても「いつの間にか変わってた!」ということもある。これから私はどういう風に変わっていくんだろう。


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