Deckard's Movie Diary
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2008年09月01日(月)  闇の子供たち

『闇の子供たち』
作る価値のある映画だし、観る価値のある映画だし、偽善的な結末でもないし、腑に落ちないシーン(銃撃シーンとか)とかはあるけれど、真摯な姿勢が十分感じられる仕上がりになっているのは間違いありません。それでも何故かもの足りなくなってしまうのは映画の難しいところです。まず、それぞれのキャラクターの存在感がイマイチ感じられません。特に移植を望む家族の描き方に不満が残ります。そういう事実を知ってまで移植を望むような親はほとんど居ないと思いますし、居たとしても、最悪のモンスターペアレントのような方達なんじゃないですか?っつーか、現在ではそういう事実で移植が行われるようなことはありえないでしょ!どうせなら、重要登場人物の“闇”の部分に焦点を当て、人間の底知れない“闇”の部分が“闇の子供たち”を産んでいるというアプローチに徹底した方が良かったような気がします。最後のシーン、記事の真ん中に鏡を置いた演出が良かっただけに、なんだかなぁ・・・の印象が残りました。

オイラのような出来そこないの人間はいつも心の奥底でとても人には言えないようなコトを考えたりしているのですが、どうにか理性で邪悪な欲望を抑えています。ところが、世の中にはオイラよりも“理性”の部分だけがちょっとだけ不出来なだけで“邪悪な欲望”を抑制出来ない人たちも居るワケです。邪悪な欲望は良い人、悪い人に関係なく心の中に住みつき離れません。今作は良い作品ですが、結局は問題提起だけに終わってしまっているのは否めません。人間の心の奥底に潜む“闇”の部分にもっと迫っていれば、もっと胸を切り裂かれるような気持ちにさせられたかもしれません。

最後に一言・・・血が流れ出てくるような幼稚な演出はして欲しくなかったですね。そんなシーンなんか要りませんよ!


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