Deckard's Movie Diary
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2008年06月10日(火)  ザ・マジックアワー  休暇

『ザ・マジックアワー』
映画好きの仲間内で観るのはオイラだけなのでチェックして来ました。三谷幸喜の作品は決して嫌いではありません。『ラヂオの時間』『みんなのいえ』はけっこう好きですし、原作の『笑の大学』も好きです。素人と玄人、先端と伝統、表現の自由と検閲、正反対の立場ですれ違いながらも同じ人間なら通じ合うところもあり、最後に認め合うような、分かっているけどホロリとさせる方程式は嫌いではありませんでした。ところが前作の『THE 有頂天ホテル』はそれまでとは打って変わっての豪華出演陣での大作映画に変身!底の浅いキャラクターにワザとらしいストーリー、小手先の辻褄合わせに追われて余裕がないので、ほとんどのギャグが考えオチのようなキレのないものばかりで、相当退屈でした。今作も予告編から前作と同じ臭いがプンプンしていたのでダメだろうとは思っていたのですが・・・案の定でした。笑わせよう泣かせようがバレバレで恥ずかしくなります。まぁ、“レッド・カーペット”で大笑いしている人たちにはウけるんでしょうね。そりゃ、多少はニヤっとする場面はありますが、その程度です。この映画の何処がそんなに笑えるのか全く理解出来ませんでした。

オイラは三谷幸喜氏の才能を認めています。次回作は出来ればフジテレビなんぞに踊らされずに、キラっと光る小品をモノにして欲しいと思っているのはオイラだけでしょうか?キョロ(・_・ ))(( ・_・)キョロ オイラだけか・・・。




『休暇』
分かるんですけどねぇ・・・やはり、もう少し饒舌で良かったんじゃないでしょうか。題材が題材だけに難しいとは思いますが、もう一歩踏み込んでこそTRYした価値がある!というモノじゃないでしょうか?人間としての刑務官のプライベートへのアプローチの仕方が甘いように感じました。どうして彼がそんなに辛そうなのか全く触れられていないのが不満です。また、うろ覚えですが映画の中で「どんな子供が生まれてくるか分からないぞ!」みたいな台詞や、パンフに書かれている“他人の命を奪うことで得られる幸せは、果たして本当の幸福と言えるのだろうか・・・?”って、一体何が言いたいのか良く分かりませんでした。だって真っ当な仕事じゃないですか!っつーか、そんなコトは理解した上で刑務官になったんじゃないんですか?死刑制度に疑問を呈しているのなら分かりますが、そうでもないようですしね。原作は未読ですが、この映画を観る限り“死刑囚と刑務官”を扱った題材としては郷田マモラの『モリのアサガオ』の足元にも及ばない気がします。球種は間違いなくストレートなんですけど、1軍では通用しないと思います。まぁ、今の邦画レベルが低いのでエース級なのかもしれませんね。


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