先日、使わないレンズやカメラを売る時に部屋を整理をしていたら
10年近く前からの2年間、熱病のように燃えた
ゲームボーイアドバンス(以下、GBA)の
『ファイヤープロレスリング(以下、ファイプロ)』が出て来きました。

僕にとってGBAはこのファイプロ専用機と言っても過言ではないくらい
こればかりやってたゲームで
あまりの懐かしさに思わず7〜8年ぶりに電源を入れてしまいました。

簡単にこのゲームを説明すると俗に言うプロレスアクションゲームなのだけど
一番の特長は、衣装はもちろん性格や技から何から自分で作った選手を
自分で操るのではなくコンピューターに自動で動かさせて戦わせたり、
その自分で作った選手を集めてオリジナルの団体を作り
実在する選手や団体と戦わせたり、
同じように友達が作った団体と自分の作ったベルトをかけて戦い
一喜一憂するというゲームなのです。
（友達とベルトをかけて戦って負けると
　自分のゲーム機内にベルトがなくなってしまい情けないことになる）


久々に電源を入れ、
すっかり忘れてしまった自分の団体をデータを見たところ
あまりの理想的な選手が集まったプロレス団体に、
我ながら感動してしまった。
（マーベラス!!　10年前の僕!!）


『オリジナルの選手を作れる』ということは
もちろんものすごい強い選手から、新弟子のような選手まで出来るのだけど
僕の団体にいる選手は、すべてにおいて『プロ』が揃っているのですよ。

つまり『プロ』と『アマ』の違いは
『常に客を意識した戦いが出来るかどうか？』に尽きるわけで、
敵とも戦いながら、お客とも戦う。

（10段階評価で）8の力の相手を10まで引き上げ、12の力で倒す。

相手の技、良さ、そして実力以上のものを全部ださせた上で
それ以上の力で相手を倒す。
まさに『魅せる』試合をするファンタジスタ集団なのです。


体力や攻撃力などの強くして、強力な技ばかり持たせれば
いくらでも強い選手は出来るけど、
それは、
『悪の軍団のザコ戦闘員相手に、
　いきなり巨大ロボを出して、街1つ吹き飛ぶような必殺技を出す』ようなもの。
（粋でも鯔背も風情も余韻もないものない。）

その点、うちの団体のエースのキャラは
身長150cm代でボールのように腹の突き出たおっさんマスクマンでありながら
まるで体重などないような小刻みな華麗なステップを踏みながら
どんな相手の技でも全て受けまくり、
どちらが勝つか負けるか分からない30分を超す大熱闘を引き起こし
客のボルテージがMAXに達したところで
最後はトップロープから魅せる、
まるでそよ風に舞う羽毛のような優雅なムーンサルトプレス1発で
試合を決めてみせる。
（空中2回転＋横1回転半プレスなど派手な技が流行する中で
　この古びた伝統の技を出すとこに神々しさすら感じる。自己満足）

ただ『プロ』であるのは試合の組み立て方だけではありません
このボールのような腹の小さいおっさんマスクマン、
飛び技を主体に試合を組み立てる選手でありながら
大きな弱点として『膝に爆弾』を抱えているのです。

つまりもしムーンサルトプレスなど高いとこから相手に飛びかかる
大きな重力を利用した技をよけられた場合、
その全ダメージは自らの膝に集中することになり
その後、立てるかどうか分からない
致命的な大ダメージをくらうことになる。まさに諸刃の剣なのです。

観客はこの自らの選手生命を潰しかけない技を出すことに
感情を移入し、トップロープを登る姿に固唾を飲み、神に願いをかけ
リングの照明に激闘の汗が照らされ
キラキラと光りながら華麗に空中を舞う腹のでた小さいおッさんに魅了され
その勝利に歓喜するのです。


すばらしい。すばらしすぎるといっても過言ではありません（by.村西監督）


大技を多様する最近のプロレスとも
ただ相手を叩きのめすK-1や格闘技系の試合とも違う

それはまるで映画を1本みたような感動。


あまりの感動に
「これはもうPSPなんか辞めて久々ファイプロやりまくるか!?」と思ったのも1日。

翌日再びGBAの電源を入れたところ
カセット内の電池が切れてしまったのか
作りあげた全データが消え、
TOP画面には新規ゲームの文字しか点灯しておらず
まるで夢に見た砂の城のような物語になってしまいました。

今、思えば、
たくさん遊んでくれた僕に対する
ファイプロからのささやかお礼と
サヨナラだったんだなぁ。と

そんな心あたたまる夢と冒険のファンタジーです。


ありがとう。
ありがとうすぎるといっても過言ではありません（2度目）


fin...