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173 和欲

友達に起業をしようとしている友達がいるらしい。起業の内容はよくわからなかったけど、テーマは「和」らしく、日本人には誰しも「和欲」なるものがあるという。
その内容はほんとさっぱりで、何がしたいとかはよくわからなかったんだけど、この「和欲」という言葉がおもしろいな、と思った。
確かに和欲ってものはあると思う。俺は和か洋かといったら洋を選ぶ人間で、服装だとかインテリアとか、好むものは洋だ。でも、ふと日本の昔ながらの文化に触れたとき、とても懐かしく感じ、
「自分のどこかでなくてはならないものなんだなぁ」
と感じる。
とても不思議な気持ちなんだよね。「和」に触れたときだけに感じる独特の感情というか匂いというか、心奪われる。
でもそう感じるときに、それと同時にちょっと悲しいのが、客観的にそんな文化を捉えてるってこと。外国人が日本の文化に触れて感動したのと同じように、自分の国の文化だという捉え方ではなくて、どこか自分の今たっている国とは別の国の文化のように捉えてしまっている。それは身近に「和」の文化が根付いている人が、今は少ないからしょうがないことなのかもしれないけどね。でも他の国の人々の多くは、自分の国のこういった素晴らしい文化を、
「どうだ!俺らの国はすごいだろ!」
と誇れるように、自分もこの文化を自分の国の文化と堂々と誇れたらなぁ、なんて思う。少なくとも今の俺には堂々と誇れない。
今の俺の生活には「洋」が溢れてるし、それは望んで取り入れているものだけど、もし自分の周りから「和」がまったくなくなっちゃったら、息苦しくなっちゃうだろうな。
「和欲」あるね。間違いなく。
2004年05月16日(日)

VOICE / マッキー

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