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2006年01月28日(土) |
お父さんのバックドロップ |
1956年1月28日、 万国著作権条約が公布され増した(日本での発効は同年4月28日)。 これに由来し、本日1月28日は、コピーライターの日だそうです。
2004年7月、中島らもさんが脳挫傷で亡くなりました。 印刷会社社員からコピーライターになり、 その後、エッセー、小説、劇団主宰などで多才さを発揮し、 多くのファン(というより信奉者)を獲得した中島さんの急死は、 容易には信じられない衝撃の事件でした。
お父さんのバックドロップ Backdrop del mio Papá 2004年日本 李闘士男監督
この映画の原作は、プロレス好きでも有名だった 中島さんの同名小説です。
舞台は1980年の大阪。 190近い長身に精悍な顔だちと、 ほのぼの、ひょうひょうとした個性のギャップで バラエティ番組でも人気の俳優宇梶剛士が、 少々落ち目気味のレスラー 下田牛之助(ひねり方がベタな役名がらもさんっぽい)を、 体もしっかりつくって好演しました。 興行のためにヒールになることを迫られ、 プロレス嫌いの息子・一雄(神木隆之介)との ただでさえぎくしゃくした関係もあってためらうけれど…… そんなデリケートな部分もいいぐあいに利いていて、 笑って泣ける、正攻法の人情喜劇になっています。
私はプロレスには今も昔も興味がないし、 今も昔も一応女だし、 レスラーの父親も持ったことがないし、 そもそも静岡より西に住んだことないし…で、 ひたすら1980年に12歳の小学生だったという 時代感覚だけが、この映画に親近感を覚える材料でした。 でも、たとえその時代感覚がなかったとしても、 やっぱりこの映画を見て、笑って泣いたと思います。 言うまでもないけれど、映画って「そういうもの」ですよね。
ピン芸人・中山功太のネタで、 「なぞなぞ/囲碁とアメフトの共通点は? →ルールが一切わからん」 というのがあって、妙に納得しながら笑いました。 囲碁の映画というのは寡聞にして知りませんが、 アメフトが登場する映画はうなるほどあり、 何本かは「好きな映画」として挙げられるものもあります。 ルールは全く知らないし、先々覚えられる気もしませんが、 ルールがわかって見ている人の方が 素直に映画を楽しめないってこともあるだろうなと思います。
ちなみに中島さん御本人も、 牛之助が金髪に染めるために(これもまたベタ)入る 散髪店の店主役で出演なさっていました。
プロレスがどうの、流行りの昭和ものがどうの、 大阪ノリがどうの、というよりも、 コメディーのうまい役者さんの悪ふざけでない演技が見たい、 そんな気分のときにはお勧めの1本です。 蓮っ葉な南果歩、「じいちゃん」南方英二など、 こずるそうな生瀬勝久など、役者はそろっています。 末筆になりますが、任せて安心神木君は、 この映画でも、かわいくてうまい子役というにとどまらず、 とにかくぴったりの雰囲気がありました。
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