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草原とボタン War of the Buttons 1994年イギリス ジョン・ロバーツ監督 ビデオあり(ポニーキャニオン) ルイ・ペルゴー【わんぱく戦争】ハヤカワ文庫
60年代のフランス映画 「わんぱく戦争La Guerre des boutons」の リメイク作品です。 私は、そのオリジナルの方は見ていないので、 こう書くことで、どの程度のネタバレになるかはわかりませんが、 どちらの原題も、直訳すれば「ボタン戦争」。 もし「わんぱく…」の方が、ボタン戦争という言葉から連想される 核戦争のニュアンスが強かったのならば、 それほど忠実なリメイクではなく、 同じ原作に材をとったという程度かもしれません。
アイルランドの田舎町を舞台に繰り広げられる、 それぞれ小さな隣接集落に住む少年たちの小競り合いを ユーモラスに、時にシビアに描いた作品でした。
運動会の騎馬戦ならば、大将の帽子を奪うのが勝利の証ですが、 彼らの「ボタン戦争」は、その名のとおり、 お互いの服のボタンこそが戦利品でした。 だったら、こういう手でどうだ!と展開された究極の勝利作戦は、 戦士たちが少年だからギリギリセーフかなあ、と思うような、 おっさんたちに置き換えたら「引いて」しまうようなものでした。 (ここがネタバレポイントの一つなので、もって回った言い方になりますが)
民謡が似合いそうな、のどかでラブリーな田園風景のみならず、 アイルランド人にこだわった(多分) 子役たちの魅力に負うところの多い映画でした。 敵対する少年グループの間には、わずかながら貧富の差があります。 制服もある比較的きちんとした学校に通っているグループのリーダーは ジェロニモ(ジョン・コフィー)、 どちらかというと貧しい子たちのリーダーが ファーガス(グレッグ・フィッツジェラルド)ですが、 J.コフィーのお坊ちゃん顔(子役時代のイーサン・ホーク風)も、 G.フィッツジェラルドの、 どこかジョシュ・ハートネットを彷彿とさせるような素朴さも、 どちらも捨てがたいものです。 例えば『スタンド・バイ・ミー』や 『マイ・フレンド・フォーエバー』とは また一味違う吸引力がありますので、 (あらゆる意味で)少年映画大好き!という方にお勧めします。 ファーガスの幼馴染マリー(エビアンナ・ライアン)に なったつもりで、2人を見守ってやってくださいませ。
もしも、文章の一部にヨゴれた意図が感じられるようでしたら、 映画そのものには全く責任がなく、 筆者のよこしまな思惑のせいですので、ひらに御容赦を。
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