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2003年08月26日(火) 踊る大捜査線THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!

1993年8月26日、東日本最大の吊り橋
お台場レインボーブリッジが開通しました。

踊る大捜査線THE MOVIE2
レインボーブリッジを封鎖せよ!
Bayside Shakedown 2: Save the Rainbow Bridge


2003年日本 公開中(2003年8月現在)
製作 石原隆(『ラヂオの時間』ほか)
監督 本広克行(『サトラレ』など)
脚本 君塚良一(『踊る大捜査線THE MOVIE』など)
音楽 松本晃彦(『リターナー』など)


先日、邦画実写版としては
興行収入で記録を塗り替えたと話題になりました。
前作の映画は5年前、テレビドラマ版も御無沙汰ですが、
新作を待望していたファンをうまくつかむ格好での
大ヒットのようです。

5年前と違い、湾岸署のあるお台場は
一大エンターティンメント基地の様相を呈し、
にぎやかになりました。
となると、嫌な副産物ではありますが、
犯罪もそれなりにふえてしまうようで、
青島(織田裕二)が所属する強行犯係も、
恩田すみれ(深津絵里)の盗犯係も、
やれかみつき魔だ、観光客を装った親子スリだのの連続犯行に
悩まされていました。

そこへ持ってきて、管内で連続殺人が発生します。
被害者は皆会社経営者などのいわゆるトップで、
しかも死体は、辱める意図がまるわかりの状態で
妙な放置のされ方をされています。
殺人事件となると、湾岸署のような“所轄”の出る幕ではなく、
“本店”こと警視庁本庁が、湾岸署へ大挙してやってきて、
我が物顔に捜査本部を置きます。
今回、捜査の陣頭指揮を握るのは、
青島が慕う室井管理官(柳葉敏郎)ではなくて、
バリバリのやり手で、自ら「警視庁の女性積極登用」の
広告塔を買って出る沖田管理官(真矢みき)でした。
が、この沖田は、びっくりするほど独善的でいちいち命令口調。
ここまでしないと出世ってできないものかなあと
嫌悪感を抱かずにいられないようなタイプなのでした。

今回は、効率的な捜査のために
カメラと高性能マイク(はっきり言って盗聴)を駆使し、
湾岸署周辺の人々を監視するのですが、
いつもは雑用ばかり押しつけられる湾岸署から2人、
そのモニターを監視する人材をピックアップされることに。
室井の御指名で、青島・恩田ペアがその任に当たります。
……かと思ったら、
今度は有力情報を握っている女性(小西真奈美)の
身辺警護を仰せつかり、やれやれと思いつつ張っていると、
その席で、たまたま親子スリの犯行現場を目撃しますが、
沖田の指示に従わねばならず、その場を動けないため
みすみす取り逃がしてしまいました。
その上、「(連続殺人に比べたら)所轄の仕事なんてどうだっていい」
とまで言われ、さすがにキレてしまいます。

ところで、今回の事件の容疑者は、
複数の人間のグループによる犯行のにおいをさせつつも、
確固としたリーダーを頂かないという、一種特殊なものでした。
捜査本部に挑戦的にかかってくる電話から、
そういったことが窺われるのですが、
アメリカでネゴシエーターの研修を受けたという
湾岸署にもゆかりのある男
彼らとの交渉の任務を仰せつかることになります。

派手で、展開にやや無理があって、むだに伏線も多く、
まるで『名探偵コナン』実写版という感もあるのですが、
全体に商魂のたくましさを感じる、いわばイベントムービーなので、
そのくらいでちょうどよいのかもしれません。
変に大上段に構えて、人生だの倫理だのを説かれても、ねえ。
不本意な使われ方をする青島・恩田のために
怒りをあらわにして沖田に食ってかかる“和久さん”(いかりや長介)や、
青島愛用のぼろぼろのマウンテンパーカーのエピソードなど、
ちょっとほろっとさせる要素もあり、
あふれるようなサービス精神には頭が下がります。

ところで、何故に「レインボーブリッジを閉鎖」するに至るのか?
まあその辺は、ごらんになってのお楽しみです。
所轄の面目躍如という展開が胸をすくことでしょう。


ユリノキマリ |MAILHomePage