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2003年08月18日(月) |
サンキュー、ボーイズ |
1987年、子役女優のミカ・ブーレムが生まれました。 ブロンドでかわいらしい顔立ちで、 多数の映画出演のほか、 “アリー・マクビール”の少女時代も担当していました。
サンキュー、ボーイズ Riding in Cars with Boys
2001年アメリカ ビデオ&DVD あり 製作総指揮 モーガン・アプトン・ウォード/ ブリジット・ジョンソン 製作 ジェームズ・L.ブルックス(『恋愛小説家』など)ほか 監督 ペニー・マーシャル(『レナードの朝』など) 脚本 モーガン・アプトン・ウォード 音楽 ハイター・ペレイラ / ハンス・ジマー
ビバリー・ドノフリオ原作…といっても、 この人がほかに何を書いているのかは存じませんが、 この映画の内容は、彼女の実体験そのままのようです。 かなり序盤で、 「南部に生まれたらブルースを歌ったろうが、 東部生まれの彼女は、小説を書いた」 というナレーションがあるとおり、 文才のある東部っ子の彼女は、 自分の何かと障害の多かった半生を 一遍の小説に仕立てたのでした。
アメリカ・コネティカット州の小さな町。 おませで頭のいい11歳のビバリー(ミカ・ブーレム)は 父親(ジェームズ・ウッズ)に 「クリスマスにブラを買って」とねだり、渋い顔で断られます。 彼女の大好きな男の子が巨乳の少女に夢中なので、 私だって……と思ったのですが、失敗。 もしも彼女がこのときブラを買ってもらっていたら、 先々の人生が変わったかもしれない。 そんな導入部から、この話は始まります。
その後、15歳になったビバリー(ドルー・バリモア)は、 憧れの少年に傷つけられたときに慰めてくれた レイ(スティーブ・ザーン)との子供を妊娠し、 不本意ながらできちゃった結婚します。 それでも、大学で勉強して小説家になるという希望は捨てず、 あらゆる手を尽くしますが、 チャンスを手にするたびに、その足かせとなったのは、 皮肉にも、愛すべき夫や息子など「Boys」の存在でした。
D.バリモアが、ビバリーの15歳から35歳までの20年間を 好演しています。 (35歳パートでの厚化粧はすごかった! ちょっとジュリアン・ムーアが肥ったような雰囲気でした)
確かにビバリーは、ある点ではついていない女性です。 もしも11歳のあのとき、ブラを買ってもらっていたら、 もっと違った人生が彼女にあったかもというのも、 わかるような、わからないような……だし、 降りかかる災難の数々も、 災難というより「自分で播いた種」の部分もあるし (播かれた種もありましたが……って、お下劣ですね) 勝手なことをほざいている愚かな女性、 という言い方もできなくはありません。
が、それも、自分のみっともなさをさらけ出した上での 嘆きや愚痴であって、 都合よく美化しようという意識が余り覗かれないので、 好感の持てるタイプのものでした。 そして、なんだかんだいって、あのポジティブさは 大いに見習いたいところです。 絶対まねできないような、御清潔で高潔な人格者よりも ずっと共感しやすいですしね。
脇に回った役者さんも、いい感じです。 危なっかしい娘を支えようとする両親役が、 前述のとおり、渋いジェームズ・ウッズと “きれいなおばちゃん”ロレイン・ブロッコ。 彼女のロクデナシ亭主を演じたスティーブ・ザーンも 他の何本かの映画でも見せている、 何となく憎めない持ち味を生かしていました。 また、息子ジェイソンの成長後を演じた アダム・ガルシアの素朴なキュートさも必見ものだし、 彼女とほぼ同時期に妊娠し、 ジェイソンと同年齢の女の子を出産する親友フェイを、 お人形のようなブリタニー・マーフィーが、 騒々しくもかわいらしく演じていました。
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