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1973年8月14日、 女優のロマーヌ・ボーランジェが生まれました。 俳優である父リシャール・ボーランジェと ベトナム人の母親との間に生まれたという 親しみやすいかわいらしさのある美貌の持ち主です。 ところで、“ロマーヌ”という名前は、 御両親が映画監督ロマン・ポランスキーを尊敬していて、 彼のファーストネームにあやかってつけたらしいですね。 (IMDbより)
ミナ Mina Tannenbaum
1993年フランス ビデオ あり(アスミック) 製作 ジョルジュ・ベナヨン(『ガーゴイル』など) 監督・脚本 マルティーヌ・デュゴウソン(『恋人たちのポートレート』)
さて、つくってみようと思い立ったときに、 必ず登場人物が衝突するシーンを 入れなければならない宿命を負っている、 そういう映画のジャンルがあるのを御存じでしょうか。 答えは…「女性の友情もの」です。 一部の例外を除いて、必ずその種のシーンが登場します。 激しいどつき合いもあれば、口論もありますが、 なにがしかの結論を得るために、かならず経なければならない、 いわばイニシエーションのような感じです。
などと、私が偉そうに言うまでもなく、 そういえば、あれもこれもそうだったわい…と 思い当たる作品が、たくさんおありではないでしょうか。 本日御紹介するこれも、その1つでした。
1950年代、フランス・パリ。 同じ日に同じ病院で、2人の女の子が誕生します。 1人はミナ(ロマーヌ・ボーランジェ)と、 もう1人はエテル(エルザ・ジルベルスタイン)と 名づけられました。 住んでいるところも似たような環境で、 同じダンス教室に通い、パーティーで同席することもありましたが、 性格の違いもあり、すぐに仲良くなったわけではありません。 それでいて、何か惹かれ合うものがありました。
70年代に入り、16歳になった彼女たちは、 似合わない流行のファッションを 「わ〜、それかっこいい」などと、 お互いに心にもない言葉で褒め合いますが、 ミナは近視のメガネに、 エテルは太めの体型に劣等感を覚えていました。 ハンサムな青年に誘われると有頂天になったりしますが、 ぽちゃっとしたお腹が気になって土壇場でパスしたり、 実は相手が浮気者だとわかったり、 全くいいところがありません。 「キレイになりたい」「みんなから愛されたい」という 願望の強い年頃、彼女らは傷つきながら、 だんだんと大人になっていきます。
その後、ミナは美術の学校に入り、 「自分」を表現しようと頑張ります。 個性的なファッションの嗜好も我の強さも相変わらず。 エテルは大学でジャーナリズムを専攻し、 見違えるように美しくなって、 周りの男をもステップアップの足場のように考える 野心的なジャーナリストになりました。 徐々に感覚のずれを覚える2人の友情の行方は……?
あんまりジェンダーやセックスに入り込むようなことは 言いたくないのですが、 この映画の魅力も欠点も、本能レベルで理解できるのは どちらかというと女性の方だろうなぁと思います。 男性に生まれつき、男性として育てられた人にとっては、 くだらねぇなあと思う箇所も、多々あるのではないかと。 (映画としてというよりも、若い2人の愚行などを見て) パリという背景と、2人を取り巻く出来事や小物たち、 おしゃれっぽくかつユーモラスに仕上げてはありますが、 オチのつけ方も含め、実態はかな〜りシビアな映画です。 身につまされるという方もあるかもしれませんが、 とりあえずお勧めいたします。
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