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2003年07月19日(土) |
私は人魚の歌を聞いた |
私は人魚の歌を聞いた I've Heard the Mermaids Singing 1987年カナダ パトリシア・ロゼマ監督
タイトルからして電波なにおいがしますが、 幸か不幸か、それは否定できません。 主人公ポリー(シーラ・マッカーシー)は、 どう控えめに言っても電波婦人です。 が、その彼女の豊かな想像力のおかげで、 美しい心象風景を楽しめるところもまた 魅力的な作品でした。
ポリーは、30歳をちょこっと出た、 寂しげな顔だちで、何をやってもうまくいかない、 何だかおどおどした女性です。 職業は秘書で、 ガブリエル(ポール・バイヤージォン)という 美しく才能豊かな女性が切り盛りする画廊に 勤めるようになります。 彼女に憧れ、 自分もアーティスティックなことをしてみたいと こっそり写真を撮るようになったポリーは、 同性である彼女に思慕を抱く自分に気づくのでした。
けれども、ガブリエルには恋人(女性)がいました。 それにショックを受け、傷つくポリーでしたが、 のみならず、ガブリエルの本性ときたら……
他愛もないストーリーではありますが、 前述のような心象風景の描写で ファンタジー色に満ちた心理ドラマに仕立てています。
どうやらDVDのリリースはされていないようですし、 ビデオも廃盤になっているようですが、 もし、何らかの形で見ることができたら、 妙に心に残る(ひっかかる、刺さる、へばりつく) 1本になるであろうことは請け合います。
ところで。 私はこちらはまだ見る機会に恵まれないのですが、 同じくロゼマ監督・脚本作品で、 『月の瞳』(1995年)というものもあるそうですが、 こちらは女性同士の愛の交歓がなかなか際どく、 (しかし美しい……でしょう、たぶん) そうした興味から手に取られた方も多いと聞きます。
今調べましたらば、 最近会員になったオンラインレンタルDVDショップに しっかりラインナップされていたので、 早速、希望リストの第1位に入れました。
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