Dailymovie
DiaryINDEX|past|will
2003年05月08日(木) |
フランダースの犬(アニメ) |
5月8日は、長野県岡谷市が制定した 童画の日です。 岡谷市ゆかりの画家で、 イルフ童画館※でも知られる武井武雄氏の展覧会が、 1925年の今日、東京・銀座で開催されたことに因むとか。 ※この何語かな?と思わせる不思議な響きのある「イルフ」は、「古い (フルイ)」をひっくり返したものだとか。
そこで、こんな映画はどうでしょうか。
フランダースの犬 A Dog of Flanders 1997年日本 黒田昌郎監督
1999年、アメリカで実写映画化もされていますが、 そちらは見ていないということと、 比べるまでもなく、このアニメの方が ずっと日本人の心をくすぐるだろうと思われます。 (しかしっ、IMDbで検索して、興味深いデータを得ました。 なんと、主人公ネロと仲良しさんだったアロアの母アンナ・コゼツを あの往年の『チャーリーズ・エンジェル』でもある シェリル・ラッドが演じたそうです)
最愛の祖父との貧しい生活の中でも、 絵を描くことが好きで、優しい心を忘れないネロ少年は、 ある日、金物の行商人に虐げられて捨てられた犬を保護し、 「パトラッシュ」と名づけます。 が、犬が元気を取り戻したことを知った金物屋が、 犬の「代金」として大金をふっかけてきたので、 祖父はその支払いのために、老体に鞭打って働くようになり、 とうとう命を落としてしまいました。 ネロは祖父亡き後、1人で生きていかざるを得なくなり、 もともと才能のあった絵に望みを託して、 奨学金のもらえる画学生になるために あるコンクールに出品するのですが……
ネロは、村の大地主コゼツの娘アロアと大の仲よしです。 コゼツの妻アンナもネロの理解者でしたが、 コゼツ本人は、目上であるネロの祖父に敬意を表しつつも、 アロアがネロと仲よくすることには、いい顔をしません。 自分の息子がアロアと仲よくなれば(逆玉狙い?)いいなあという下心もあり、 平生からコゼツにおべっかを使っていた ハンス(ネロの家の大家)の告げ口を信用し、 ネロを窮地へと追いやってしまうという、 「娘好き好きの愚かで軽率な父親」でもありました。
賢くてかわいそうな犬と健気な少年の絡みというだけでも、 ツボだという方はいらっしゃいましょう。 ちょっとしたボタンのかけ違いで生まれた悲劇が 胸を刺すようでした。 オールドファン※としては、冒頭のシーンから泣くなど、 (見れば理由がわかると思います) かなり「飛ばして」しまったせいか、 途中は結構冷静に見ることができましたが、 それでも、ポイントポイントで「来ました」。 一番印象に残っていたのは、 劇場で斜め前に座っていた 明るい茶髪&キーヤンの装いのカップルが 肩を寄せ、震えているのが涙でにじんで見えたことです。
※アニメ番組『世界名作劇場』の枠で 1975年の1年間、CX系で日曜日の夜7時半から放送されていました。 実は「オールドファン」と言いつつ、本放送時には、 その翌年の『母をたずねて三千里』や 翌々年の『あらいぐまラスカル』の方が ずっと感情移入して見ていたのですが……
|