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2002年11月19日(火) |
ディス・イズ・マイ・ライフ |
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ついさっき、その1本、 フランス・スペイン合作のさる「母もの映画」を見て、 半分壊れたように号泣してしまいました。 で、このままでは冷静に書けないなと思い、 未紹介だったうちから、 おもしろい母親が登場する次の作品を。
ディス・イズ・マイ・ライフ This is my Life 1992年アメリカ ノーラ・エフロン監督
スタンダップ・コメディアンとしての成功を夢見て、 化粧品売り場で口八丁で商品を売ったりしながら 2人の娘を育てる元気な母親ドティを、 ジェリー・ガブナーが演じています。 『ハンナとその姉妹』『ラジオ・デイズ』『ニューヨーク・ストーリー』と、 80年代後半、ウディ・アレンのお気に入りだった人
上の娘エリカ(サマンサ・マシス)は不安定な年頃で、 つい母親に反発し、いつもふくれっ面です。 妹のオパール(ギャビー・ホフマン)が 「ママが朝食にマンガ焼きをつくってくれる」 などと言おうものなら、 「フツーのママは、パンケーキをつくってくれるのよ」と 嫌みたっぷりに諭したりしました。 ……まあ、家事の方はそんな感じの母です。
やがてドティはエージェント(キャリー・フィッシャー)に 芸が認められ、徐々に世に出るようになりますが、 そんなこととは無関係に、 エリカは、あまり聡明には見えないボーイフレンドと 見苦しいほどにラブラブ。初体験もちゃっかり済ませます。 おませなオパールにも好きな人ができますが、 その意中の彼がドティの若いツバメだと勘違いして傷ついたり、 ドティの成功とは裏腹に、家族関係は少々ぎくしゃくします。
2人の娘を持つシングルマザーというと、 シェール、ウィノーナ、クリスティーナ(リッチー)の 三代美女が共演した『恋する人魚たち』、 スタンダップ・コメディアン志望というと、 サリー・フィールド主演の『パンチライン』と、 どうしてもそれまでの他の作品と かぶってしまうところもありますが、 『恋する人魚たち』よりも母娘関係に血が通った感じで、 『パンチライン』よりもしゃべくりがうまい! 必ずしも単純にハッピーでラッキーな作品ではないのに、 全くじめじめせず、 からからと笑ったり、ほろっとしたりした後、 すっきりと気分の切り換えができそうな作品です。 それは、何も残らないというよりも、 「胸焼けしない」と表現したい風通しのよさでした。 大スターではなくて、 嫌みのない芸達者をそろえた結果でしょう。
恥ずかしながら、私は高校生の頃、 進級するに当たってつくったクラス文集で、 「将来は賢いお母さんになりたい」 という趣旨のことを書きました。 現実に子供を持ってみると、今度は目標が 「おもしろいお母さんでいたい」に傾いた気がします。 ずっと子供が自分に興味を持って、 時にはジョークに笑い転げてくれたら幸せだろうなどと。 この2つに共通点があるとすれば、 自分自身が好きかどうかがポイントではないでしょうか。 ドティが母親としては少々すっとこどっこいでも、 娘たち2人のことはもちろん、 自分のことを愛しているし信じてもいる、 そんなところに非常に惹かれました。
ちょっとおバカで、リアルで、かわいくて、 いつも好きでいたい作品です。
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