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1911年10月25日、雑誌「暮らしの手帖」の名物編集長だった 花森安治(はなもり・やすじ)さんが生まれました(78年死去)。 この方は、男性でありながら、 女性のスカートを履いたことでもよく知られているということで、 突然飛びますが、以前から御紹介したかったこちらをどうぞ。 (そういえば少し前、スコットランドのキルトなどとはまた別に、 男性用のスカートが登場したことがありましたが、 結局、ファッションとして浸透しませんでしたね)
プリシラ The Adventures of Priscilla, Queen of the Desert 1994年オーストラリア スティーブン・エリオット監督 オーストラリア映画の上にゲイムービー! なぜかハズレの少ないこの2つの分野がタッグを組み 愛と勇気が満ちあふれた秀作コメディーになりました。
原題に入っている「砂漠の女王」の言葉どおり、 プリシラというのは、 3人の魅力的なドラッグクイーンを乗せて、 豪州の砂漠を横断するバスの名前です。
ちょいと年は行っているけれど ゴージャスなバーナデット(テレンス・スタンプ)、 ストイックな雰囲気のあるミッチ(ヒューゴ・ウィービング)、 ちょっとお調子者っぽいフェリシア(ガイ・ピアース)の3人が、 興行のために アリス・スプリングスに向かうまでのロードムービーですが、 ゲイへの偏見は凄まじいものがあるようで、 バスの車体に 酷い誹謗中傷をいたずら書きされる一幕もあり、 そうしたエピソードが、 皮肉にも“現実”という名を影を程よく落としていて、 リアルで共感できるつくりになっていた気がします。 “彼女”たちがステージに上がるときの衣装はといえば、 当然のように、とんでもなく現実ばなれしているんですけどね。 ナツメロの当てぶり芸なんかも楽しめます。
3人がいかにして 「この世界」に入っていったが窺い知れるような、 幼時のエピソードにも、にやっとしたり。 最初に見るきっかけが、 ちょっとした好奇心やある種の怖いもの見たさだったとしても それはそれでそいいのですが、 できれば、誇り高く生きたいと思う、 そんなすべての人々に見てほしい作品です。
その昔、アラビアのロレンスは、 「砂漠は清潔だから好きだ」と言いましたが、 この映画を見たら、 「バーナデットたちに会えるかもしれないから 好き(惹かれる)」などと答えたくなるかもしれません。
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