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2002年08月31日(土) |
ウーマン・オン・トップ |
本日は、特に深い意味はなく、 軽〜い気持ちでそこそこ楽しめる1本をどうぞ。
そういえば、本日8月31日は「野(8)菜(3・1)の日」だとか。 料理のシーンがたっぷり楽しめるこの作品でも、 色鮮やかな野菜を含む食材が目を楽しませます。
ウーマン・オン・トップ Woman on Top 1999年アメリカ フィナ・トレス監督
美女ペネロペ・クルスに好感を持てるか、 魅力を感じるかで大分印象が変わる作品ではありますが、 映画の出来としても、そう悪くなかったと思います。
生まれつきの美貌を誇るイザベラ(P.クルス)は、 ブラジルの裕福な家庭に育ち、料理の才能にも恵まれましたが、 乗り物という乗り物ことごとく酔ってしまうという弱点があります。 世界をまたにかけた料理人という夢も、 飛行機にも乗れないのでは話になれません。
そんな彼女ですが、 ハンサムで歌のうまいトニーニョ(ムリロ・ベニチオ)と恋に落ち、 結婚して、彼の経営するレストランで腕をふるうようになります。 レストランは繁盛し、幸せな若夫婦、だったはずが、 さまざまな条件が悪く作用し合い、 トニーニョはよその女性と浮気をするようになって、 怒ったイザベラは、必死の思いで飛行機に乗り、 幼なじみのモニカ(ハロルド・ペリノー・ジュニア)が住む アメリカ・サンフランシスコへと赴きます。 そこで料理学校講師の仕事を得、だんだんと元気を取り戻しました。
イザベラが身を寄せたモニカのアパートの近くには、 企画で行き詰まっていたテレビ番組のプロデューサー、 クリフ(マーク・フォイアスタイン)が住んでいましたが、 彼は、たまたま見かけたイザベラの生き生きとした美しさに惹かれ、 ふらふらと「にわかストーカー」になって彼女の後を追います。 成り行きで、イザベラが担当する料理学校の授業を受け、 彼女を起用して料理番組をつくってみたら…と思いつくのですが、 (ルックス的に非常に衝撃の強い)モニカを アシスタントにしたいというイザベラの申し出には 面食らうものの、これが大当たり。 一躍人気者となり、全国ネットの話も浮上しました。
一方、イザベラに見限られたトニーニョは、 彼女がどうしても諦められず、ブラジルからやってきます。 さらに、彼女がテレビ番組に出ていることを知って、 その番組に、ボサ・ノヴァバンドを率いて乱入したりしますが、 これも視聴者には大好評で、イザベラ同様、 トニーニョも人気の的に。 浮気が原因で家出をしたイザベラでしたが、 トニーニョを完全に嫌いになったわけではありません。 イザベラのことが好きなクリフは、 トニーニョの出現に気が気ではなく、 何とか彼女の心をつかみたくて、 モニカにアドバイスを乞うたりしますが、 生真面目で淡白そうなユダヤ系(多分)の彼に、 情熱のブラジルノリは習得できるのでしょうか?
大抵の映画で、好いたらしい性格の女装の人が出てくると、 強い印象を残すものですが、 この映画でモニカを演じたH.ペリノーもチャーミングでした。 (96年版の『ロミオ+ジュリエット』で マーキュシオを演じたヒト) イザベラをしっかりとサポートしつつも、 個性をしっかりアピールし、 まさに愛すべきオカマちゃんでありました。 だから、ステロタイプと言えなくもないのですが、 好きになれない「今までにないタイプ」よりも、 適度に個性的でどこかにいそうな好人物の方が、 ラブコメディーには向くキャラクターと言えましょう。
ところで、トニーニョが浮気に走った一番の原因は、 「ダンスでも夜の営みでも、 何でもイザベラが主導権を握りたがる」 からでした。 ドライバーは、運転している間は車に酔わないといいますが、 彼女は、乗り物酔い克服の手段を夜の生活にも導入したのでした。 イザベルはイザベルで、愛想よくレストラン経営の表舞台に立ち、 自分は厨房(日蔭)で料理をするだけ…という状況に不満でした。 イザベルとトニーニョ、 双方の言い分や不満もわからないでないだけに、 「あ〜、ね〜」と、曖昧に同意したくなります。 美しい映像と、何ともお手軽に事が進む設定に、 結構シビアな夫婦の現実も張りついていて、それがまた、 料理のシーンに登場する数々のスパイスを彷彿とさせます。
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