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8月13日は、女神ヘカテに捧げる日だそうです。 ヘカテは、出産時の女性の家に宿る女神だとか。 出産という一大イベントは、古今東西のあらゆる映画に登場しますが、 真っ先に思い出した1本を。
リトルマン・テイト Little Man Tate 1991年アメリカ ジョディ・フォスター監督
ハリウッドきっての才色兼備の呼び声も高いJ.フォスターが 初監督した作品です。 シングルマザーのディディは、忙しく働く毎日の中でも、 息子のフレッド(アダム・ハン・バード)を愛情いっぱいに育てています。 ほんの赤ん坊の頃から、その片鱗は覗かせていたものの、 フレッドは実は天才児で、ごく普通の学校で、明らかに浮いていました。
そこに、自身ももともと天才児だったという ジェーン(ダイアン・ウィースト)という女性から、 英才教育のために特別プログラムを組む学校に フレッドを入学させないかという申し出がありました。 最初は反発するディディでしたが、説得の末に参加させることを決意し、 フレッドは、自分と同じような天才児が「ごく普通」である世界で、 時には傷つきながらも、徐々に自分というものを確立していくのでした。
静かで上品なトーンの映画です。 俯瞰で見下ろしている静かな出産のシーンなど、 ジョン・アーヴィング原作の映画化?などと思ってしまうような 独特の香気を感じました。 かわいいとかかっこいいというより、 賢くて繊細なところが魅力的なA.ハン・バードは、 97年の『アイス・ストーム』でも、ちょっと成長した姿で、 ひんやりした映画の雰囲気を壊さない好演を見せました。 (この映画、人間関係がちょっと複雑なんですよね… とりあえず、シガーニー・ウィーバーの息子役でしたが)
天才児教育に熱心なお国柄がよく出ているとはいえ、 従来のアメリカ映画とは違った雰囲気のあるこの作品は、 自分自身も天才少女と言われたフォスターならではでしょう。
なお、同時期に『メンフィス・ベル』に出演した ハリー・コニック・ジュニアも、 結果的にはそう重要ではないものの、 フレッド少年にある種の示唆を与えるオポンチ大学生を好演しました。 この人、もともとジャズシンガーとしてデビューし、 『恋人たちの予感』のサントラを20代前半で手がけ、 才能を大いに見せつけましたが、 最近は映画出演も多く、しかもなかなか多彩な役なので、 【俳優】とカテゴリーしても差し支えない気がします、ね。
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