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1997年7月2日、名優ジェームズ・スチュワートが亡くなりました。 (享年89歳)
裏窓 Rear Window 1954年アメリカ アルフレッド・ヒッチコック監督
現代だったら、 この邦題で上映されることはないだろうなあという気がします。 もっともったいぶった、その上ピントはずれなタイトルになるか、 原題を片仮名読みして「リアウインドー」で、 自動車の話かと思った、みたいな、 そんな間抜けなことになっていたでしょう。
足を骨折して退屈しているカメラマン、ジェフ(J.スチュワート)が 退屈しのぎに隣のアパートを覗いていて、 そこである事件に気づくというだけの話なんですが、 とにかくうまい! サスペンスフルで、洒脱で、ユーモラスで、 実はヒッチコックを「説教臭い気がして嫌い」な私ではありますが、 この映画だけは、 ヒッチコックに限定せずにすべての映画ひっくるめても、 かなり好きな部類です。
ジェフの美しい恋人ステラをグレース・ケリーが演じていますが、 ただ美しい、華を添えるだけの役ではなく、 意外な行動力を見せ、魅力たっぷりでした。 また、個人的には、何しろおばさま大好きなので、 口うるさくジェフの世話を焼いていた 看護人役のセルマ・リッターも印象的です。
あくまで覗き見るジェフの視線で映画が撮られていて、 カメラはアパートの一室を一歩も出ませんが、 それでも、これだけのことができるんだなーと、 ひとえに感心するためだけに見るのも一興ですが、 キャラクターの魅力に負うところの大きい映画ではないかと思います。
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