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2002年07月02日(火) 裏窓

1997年7月2日、名優ジェームズ・スチュワートが亡くなりました。
(享年89歳)

裏窓 Rear Window
1954年アメリカ アルフレッド・ヒッチコック監督


現代だったら、
この邦題で上映されることはないだろうなあという気がします。
もっともったいぶった、その上ピントはずれなタイトルになるか、
原題を片仮名読みして「リアウインドー」で、
自動車の話かと思った、みたいな、
そんな間抜けなことになっていたでしょう。

足を骨折して退屈しているカメラマン、ジェフ(J.スチュワート)が
退屈しのぎに隣のアパートを覗いていて、
そこである事件に気づくというだけの話なんですが、
とにかくうまい!
サスペンスフルで、洒脱で、ユーモラスで、
実はヒッチコックを「説教臭い気がして嫌い」な私ではありますが、
この映画だけは、
ヒッチコックに限定せずにすべての映画ひっくるめても、
かなり好きな部類です。

ジェフの美しい恋人ステラをグレース・ケリーが演じていますが、
ただ美しい、華を添えるだけの役ではなく、
意外な行動力を見せ、魅力たっぷりでした。
また、個人的には、何しろおばさま大好きなので、
口うるさくジェフの世話を焼いていた
看護人役のセルマ・リッターも印象的です。

あくまで覗き見るジェフの視線で映画が撮られていて、
カメラはアパートの一室を一歩も出ませんが、
それでも、これだけのことができるんだなーと、
ひとえに感心するためだけに見るのも一興ですが、
キャラクターの魅力に負うところの大きい映画ではないかと思います。


ユリノキマリ |MAILHomePage