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本日も、見たばかりの映画を1本御紹介いたします。 古い古いドイツ映画でしたが、 『会議は踊る』のような甘やかなものではありませんでした。
制服の処女 Madchen in Uniform (英語タイトルGirls in Uniform) 1931年ドイツ レオティーネ・サガン監督
私の相方は、このビデオのタイトルだけ見て、AVと勘違いしました。 内容は、ほのかな年上の同性への憧れも含んでいますので、 つくり方次第では、そちら方向にシフトしてしまったことでしょう。
母親を亡くした少女マヌエラは、伯母に連れられ、 厳格な寄宿制の女学院に入学します。 その厳しさたるや、お世辞にもオシャレとは言えない制服を着せられ、 (『ソフィーの選択』や『ライフ・イズ・ビューティフル』の ナチスの収容所のシーンを思い出しました) 育ち盛りなのに、十分とはいえない食事を与えられ、 (院長によれば、プロシア人は空腹に絶えてきた国民なのだから、 当たり前なんだとか…) 手紙のやりとりすら制限されているような状況でした。
そんな生活の中でも生徒たちは、 お気に入りの映画スタアのブロマイドを隠し持っていたり、 (もちろん、これとて規則違反です) 他愛もないおしゃべりに花を咲かせたり、 (これも場合によっては×) それなりに楽しみを模索していますが、 マヌエラは、いいしれない心細さのせいで勉強に身が入らず、 毎晩泣いてばかりいました。
ところで、厳格な院長の言いなりの教師たちの中にも、 生徒たちにとっては心のオアシスのようなベルンブルク先生がいました。 美しい容姿と、筋の通った厳しさと温情味を感じさせる人柄に、 生徒たちは皆憧れます。マヌエラも例外ではありませんでした。
ある日、しぶちんの伯母がマヌエラに 十分に下着を持たせてくれなかったことに同情したベルンブルク先生が、 こっそり下着を渡したことから、 とんでもない大騒動に発展してしまうのですが…。
結論から言うと、マヌエラが退校処分になるかならないかの瀬戸際まで 追いつめられるような大事件に発展してしまうのですが、 このときのほかの少女たちの、マヌエラを救おうという機運には、 少し救われるものが見えました。 この学校の規則、厳格が売りだとしても、ちょっと行き過ぎを感じます。 が、映画がつくられたのは1931年。 あのチョビヒゲちんちくりんの台頭は目の前という時代です。 何らかの力で、この学校にもっと人間味のあるムードをと願っても、 (虚実含めて)たぶん叶わなかったろうなあと思うと、 気楽な女子高生活を送った者としては、やりきれなくなりました。
見て愉快な気分になれる映画では決してないのですが、 1つの参考としてどうぞ。
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