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2002年05月23日(木) 俺たちに明日はない

1934年5月23日、銀行強盗を繰り返していたカップル、
クライド・バーローとボニー・パーカーが
警官隊に射殺されました。


ここでもう、半分ラストのネタばらしをしたも同然なのですが、
この一連の強盗事件は、そのまんま映画化されました。

俺たちに明日はない Bonnie and Clyde
1967年アメリカ アーサー・ペン監督


アメリカ映画には、主人公名をタイトルにしたものが多いですが、
それに「何だかなあ…」な邦題をつけるのも、日本の十八番です。
これも、直訳で「ボニーとクライド」でよかった気もしますが、
邦題も悪くはない方ではと個人的には思っています。

田舎町で母親と2人で暮らす美しいボニー(フェイ・ダナウェイ)は、
母親の車に手を出そうとしていたクライド(ウォーレン・ベイティ)に
怒鳴りつけますが、それがきっかけで2人は接近し、
不景気な世相に反抗するように、
派手な銀行強盗を繰り返すようになります。
そのうち、クライドの兄(ジーン・ハックマン)の夫婦とも合流し、
「バロウ・ギャング」結成と相成ります。

犯罪行為とはいえ、胸のすくような快進撃を繰り返すバロウ・ギャングの
庶民レベルでの人気はすごいものでした。
折からの不況で、銀行に家や土地を抑えられている人々の
怨嗟の声を、そのまま反映しているように見えるからでしょう。

「君は田舎でくすぶっている女ではない」という、
クライドの口説き文句のとおり、
最先端モードに身を包んだボニーは、美しさに磨きがかかり、
またその非情な犯罪者ぶりも板についてくるのですが……。

アメリカン・ニューシネマ黎明期の作品です。
好き嫌いはともかく、映画を楽しむだけでなく、
ちょっと学究的に見たいという方には、必見の作品でしょう。

ところで、漫画家の萩尾望都さんは、
デザイン学校時代、「フェイ・ダナウェイのファッションが参考になる」と、
学校の講師から、この作品を勧められたとか。
小ネタ失礼。でも、確かに彼女のモダンな美しさは印象的です。


ユリノキマリ |MAILHomePage