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2002年05月20日(月) ミュリエルの結婚

5月20日は、お笑い芸人光浦靖子さんの誕生日です(1970年)。
…と紹介するほど、この方に魅力を感じていたり、
ファンだったりするわけではないのですが、
好きな映画について話す某トーク番組で、
彼女が次の作品を挙げていたのが印象に残ったので、今日はそれを。

ミュリエルの結婚 Muriel's Wedding
1994年オーストラリア P.J.ホーガン監督


秀作揃いで好きな作品もたっぷりあるはずなのに、
なぜか取り上げる機会が少なかったオーストラリア映画の1本です。

ミュリエル(トニ・コレット)は、金持ちの娘ということで、
それなりにつき合ってくれる友達もいたけれど、
性格悪し/やる気なし/その上見栄っ張り、などなど、
とにかく失点が多過ぎて、だんだんと周囲から人が遠ざかってゆき、
ますます「救いようのなさ」に磨きがかかっていきます。

そんな中で、彼女と本当に通じ合ったのは、
同じようにイケてないのに、妙に「自分」というものを持った
ロンダ(レイチェル・グリフィス)でした。
イケてない2人は、退屈な田舎を飛び出してシドニーへと赴き、
そこで幸せ探しというか、自己実現のようなものを試みますが、
そんな中、ミュリエルが考えた最高の方法は、「有名人との結婚」でした。
それがもと?で、ロンダとの友情にはひびが入りかけますが……

一応「コメディー」の棚にあるのが一般的だと思いますが、
さまざまなテーマを包含しているので、お気楽な話を想像していると、
結構裏切られた気分になると思います。
(裏切りにも、嬉しいのと腹立たしいのと2種類ありますけどね)

ミュリエルに扮したトニ・コレットは、
『シックス・センス』『ベルベット・ゴールドマイン』などでも知られる、
ちょっと三白眼で、正統派美人とは言えないかもしれないけれど、
色気や雰囲気は十分なステキな女優さんですが、
この映画では、かなり体重を増量して、
「うわ〜、見苦しい」を全身であらわしていました。
でも、素のよさのおかげで、徐々に魅力的になっていくヒロインとしては
かなり健闘していたと思います。
オーストラリア人らしくアバが大好きで、
そう公言してはばからないけれど、
周囲の「仕方なくつき合っている」子たちから、
「今はR.E.M.よねぇ。アバなんてダサいわ」
と言い放たれてしょげてしまうような、どんくさい感じがよく出ていました。
(そう言われて乗り換えたりしないところが、思えば彼女のよさでした)

ロンダ役のレイチェル・グリフィスも、この映画以外では、
どちらかというと「きれいな人」と言えなくもない役が多い人ですが、
この作品では、徹底的に冴えない女性でした。
それでいて、妙に自分らしさというものを持っていて、自信さえ感じる。
こういう人、現実にも結構いますよね。

監督P.J.ホーガンは、
『ベスト・フレンズ・ウェディング』の演出も知られる人ですが、
あれも2人の美女(ジュリア・ロバーツとキャメロン・ディアズ)が
キャラ立ちした、しかも皮肉なところが魅力の結婚コメディーでした。
「2大ヒロイン」と「結婚」、このテーマに強い人なのでしょうか。
また、『ベスト…』ではディオンヌ・ワーウィック、
本作ではアバを効果的に使っていて、「懐メロに強い人」の印象も…

結構、紆余曲折のドロドロの悶着もありますが、
ラストシーンの爽快さには、他の追随を許さないものがあります。
機会があれば、ぜひごらんになってくださいませ。



ユリノキマリ |MAILHomePage