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2002年05月08日(水) ティファニーで朝食を

1994年5月8日、俳優ジョージ・ペパードが亡くなりました(享年65歳)。
『特攻野郎Aチーム』でおなじみだった人ですが、
このシリーズをほとんど見たことがない私には、多くを語る資格はありません。
(日曜洋画劇場でやっていても、「ああ、やってるな〜」程度)
そこで、ちょいとベタな気もしますが、こちらなんかどうでしょう。

ティファニーで朝食を Breakfast at Tiffany's
1961年アメリカ  ブレイク・エドワーズ監督


監督は、『ピンクの豹』『ピンクパンサー』シリーズで知られる
ブレーク・エドワーズです。

ミッキー・ルーニーの冗談のような日本人役とか、
些事で一言二言言いたくなるタイプの映画ですが、
オシャレさや独特の切なさ、ロマンチックさ、
オードリー・ヘプバーンの乗りのいい演技などなど、
個人的には、もっと評価されてもいい映画だと思っています。
(名画、とは言いませんが、いい線行っていると思うので)

G.ペパードの役は、有閑マダムの囲われ者のような若い作家、
そして、A.ヘプバーンは、「朝食のシリアルのような清潔さ」を持った、
何とも魅力的な娘、ホリー・ゴライトリーを演じました。
はっきり言って、職業はいわゆるコールガールですし、
ちょっとヤバイことにも知らずに手を貸しているのですが、
あんまりいかがわしい感じはありません。

同じアパートに住む2人が徐々に惹かれ合い、
紆余曲折を経て結ばれる(と解釈していいのかな)というのが大筋で、
そのほかのエピソードは添え物的というか、
「おもしろがる」程度で差し支えないかと思いますが、
この映画が何故にああも「記号的」に使われるのか
(若い女性がヘップバーンのイメージで写真を撮るとなると、
これか『ローマの休日』ファッションか、ですもんね)
やっぱり、まずは1度ごらんになってから
考えるべきではないかと思います。

宝飾品のお店「ティファニー」の前で食べるホットドッグ、
名前をつけられない猫、ホリーの長いキセルを含むファッションなど、
シンボリックに扱われやすい材料は確かにたくさんあるのですが、
そこに込められた、彼女の愛らしさや嫌らしさ、
心の傷などを味わってからの方が、
よりこの映画の存在価値がわかるかと思います(自信はないけれど)。

ところで、有名人大好きだったという作家のトルーマン・カポーティは、
自作『ティファニーで朝食を』(映画の原作)映画化に当たり、
実は、ホリー役のヘプバーン起用には賛成ではなかったそうですね。
ヘプバーンという女優その人を嫌いではなかったようですが、
彼が後年語ったところによると、イメージにぴったりなのは、
『タクシードライバー』のジョディ・フォスターだったそうです。
といっても、この映画が製作されたのは、彼女が生まれる前年…
無茶なおっさんです。

しまった。G.ペパードの命日にちなんで取り上げたはずなのに、
オードリー“ホリー・ゴライトリー”にばかり触れてしまいました。
強いて言えば、ペパード氏の御しやすいというか、
振り回されやすそうな気弱な二枚目ぶりが、
役にはまっていたと思います。
(所詮はヘプバーンの引き立て役…なんでしょうか)


ユリノキマリ |MAILHomePage