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1933年の5月1日、弁護士法が改正され、 女性も弁護士資格が取れるようになりました。
アメリカのその辺の事情はよくわかりませんが、 訴訟大国のアメリカには、魅力的な女性弁護士が登場する映画も 豊富にありますね。
依頼人 The Client 1994年アメリカ ジョエル・シュマッカー監督
最近、ちょっと肥り気味(らしい)なのが気になる ブラッド・レンフローのデビュー作ですが、 彼はこの映画出演時、プライベートでも、 映画の設定と大差のない境遇だったそうです。
森で遊んでいたマーク(レンフロー)とリッキーの兄弟は、 ある男性の自殺現場に遭遇しますが、 彼は、重大な上院議員殺人事件の真相を握る男でした。 これを見てリッキーは重篤なPTSDに陥り、意識を失いますが、 彼につき添って病院に行った彼は、 待合ロビーで、「事故の相手方を訴えないか」と 「客引き」をする弁護士を見て (アメリカ名物って感じですが)、 ヤバい現場を見てしまった自分を守ってくれる弁護士を雇おうと考え、 ポケットの1ドルで、 レジー・ラブという女性弁護士に「依頼」します。
レジーを演じたのはスーザン・サランドンでしたが、 はまっていました。 身勝手な夫のせいでアルコール依存症になったため、 2人の子供を奪われて離婚されたという辛い過去を持っていた彼女が、 けなげな少年の依頼をむげに断れるわけもなく…といったところです。 一方、自分の母(メーリー・ルイーズ・パーカー)が、 父(既に離婚)の酒癖の悪さのせいで苦労しているのを知るマークは、 酒飲みを偏見的に嫌っていて、 レジーの飲酒歴を知り、一旦は依頼を取り消そうとしますが、 彼女が、弱い自分としっかり見つめ合い、 一念発起して司法資格を取ったことを知って、 信頼してついていこうと決めます。
殺人事件の犯人と目されるマフィアを追う 検事(トミー・リー・ジョーンズ)なども含め、 マークは証言を求められたり、命をねらわれたりと、 各方面からつけねらわれるところとなりますが、 レジーはそんな彼を、献身的に守るのでした。
弁護士が登場する映画というと、 大抵は法廷での丁々発止が見どころですが、 この映画は、え、これも弁護士の仕事なの?と思うような展開なので、 「年の離れた男女のピュアなラブストーリー」か何かとして 見た方がいいようです。
私がこの映画が好きなのは、 実は、小ネタ・小道具が充実しているということも理由の1つです。 舞台がメンフィスということで、 「かつてキングと呼ばれし男」をモチーフにしたペッツ人形が登場したり、 レジーがネックレスにつけているトップが方位磁石だったり、 「レッド・ツェッペリンはサイコーのバンドだ」とマークが言えば、 レジーもそれに同意するけれど、 話を合わせようとしているだけだろうとバカにするマークに、 レジーが軽く「報復」したり、 息子を愛していながら、 かまってやれないマークの母の苛立ちや悲しみをも、 レジーがその包容力でもって受け入れたり、 「ほっとしてハラハラできる」サスペンスでした。
なお、これは後にテレビシリーズ化され、日本でも放送されましたが、 私はこれも大好きで、よく見ていました。 レジー役がジョベス・ウィリアムズで、 映画ではトミー・リー・ジョーンズが演じた検事を ジョン・ハードが担当し、 レジーとは性差を超えたケンカ友達といった風情で、 2人の会話は楽しみの1つでした。 南部独特の人種差別にまつわるケースが多かったのも印象に残ります。
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