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2002年03月29日(金) タンポポ

本日3月29日の誕生花は、「たんぽぽ」だそうです。
(例によって、諸説あり)
ということで……


タンポポ Tampopo
1985年日本 伊丹十三監督


実は、伊丹作品は概してちょっと苦手なのですが、
これはひねりが利いていて、おもしろく見た覚えがあります。

夫の死後、家業のラーメン店を引き継いだ、
たんぽぽ(宮本信子)という名前の女性が主人公で、
このラーメン店の名前も同じく「タンポポ」でした。
はっきり言って、あまり腕がよくなく、商売も下手な彼女は、
だんだん客を減らしていきますが、
ある日、物がわかったふうの
トラック運ちゃん(山崎努)があらわれ、
迷惑な客めがけてなるとを投げつけ、
たんぽぽさんを助けたことがきっかけで、
『ラーメン・ウェスタン』の異称があるだけに、
この辺は、西部劇を意識しているらしい…)
彼は、「いいラーメン屋」の指南をすることになります。
さあ、店は立ち直るでしょうか?

というような主軸の話の合間に、
役所広司扮する「蘊蓄男」があらわれたり、
テーブルマナー教室の風景が出てきたりして、
食べ物にまつわるさまざまな小ネタを提供してくれました。
ぱかっと割ると卵液が溶岩流のように溶け出してくるオムレツも、
今では「タンポポオムレツ」の名前がついているらしいですね。
たんぽぽの息子に「オムライスが食べたい」と言われ、
運ちゃんの強面の知り合いがつくってくれるのですが、
見るからにおいしそうでした。

この映画は、外国の映画人にもファンが多いようで、
『ウォール街』の中で、
「なると」のパロディのようなシーンがありました。
主演と製作を兼ねたマイケル・ダグラスが、この映画がお好きとか。
また、笑ってしまったのは、
ジェフ・ゴールドブラム&ジーナ・デイビスののっぽカップルが
まだ仲良し夫婦だったころ、そろって来日した折、
何が食べたいかと尋ねたら、「“タンポポ”が食べたい」と言ったとか。
ラーメン=タンポポだと思ったのか、
代名詞として使ったのかはわかりませんが、なかなか愉快です。

お腹は空いているけれど、
食べたいもののベクトルが定まらないとき、
ちょっとしたナビゲーションになってくれるかもしれません。
でも多分、合言葉は「ラ〜メン食〜べたい〜」でしょう。
私は満腹状態で見たので、目のみで楽しみました。


ユリノキマリ |MAILHomePage