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昨晩、1カ月ぶりに試写会に行ってきたのですが、 その場でも、アカデミー賞の話題がそこここでささやかれていました。 ただ、授賞式をずっとごらんになっていた人の中でも、 「主演女優の人、知らない人だから忘れちゃった」 という声が聞こえて、ちょっとがっかりしました。 美人だし、そこそこキャリアも重ねてきた人ではありますが、 それでも今までぱっとした出演作がなかったせいでしょうか。
ウォーレン・ベイティと共演の『ブルワーズ』で クールで格好いい美女ぶりを見せていました。 で、この映画にしようかとも思ったのですが、 じきW.ベイティの誕生日ということもあり、 とっておくことにして、 きょうは、昨日その試写で見た映画から、何となく連想した1本を。 これを御紹介することで、ネタバレにならないといいのですが… 多分、大丈夫でしょう。
フェノミナン Phenomenon 1996年アメリカ ジョン・タートルトーブ監督
エリック・クラプトンが歌った主題歌“Change the World”も 記憶に新しい、なかなかのヒット作だったので、 ごらんになった方も多いのではないでしょうか。
田舎町に住む気のいい男ジョージ(ジョン・トラボルタ)は、 37歳の誕生日、気の合う仲間に祝ってもらって飲んだ帰りに、 突然、正体不明の白い閃光に打たれ、その場に倒れてしまいます。
その状態から目覚めた後、ジョージには、 不思議な能力が身についていました。 物に触れずに何かを動かすことができたり、 今まで無縁だったような難しい書物も短い時間で読んで理解し、 20分でポルトガル語をマスターします。 そして、ちょっとしたトラブルからブラジル人の女性を救い出し、 それが縁で知り合った彼女を、 ダイアナ・ロス命で、現実生活の女性に興味を示さなかった 親友(フォレスト・ウィティカー)にちゃっかり紹介したり… ↑ この美女と、なぜ自分が「お近づきに」なろうとしなかったかといえば、 彼にはレイス(キラ・セジウィック)という“一番星”の女性が ちゃんといたからでした。 椅子づくりのアーチストの仕事をして2児を育てるシングルマザーで、 警戒心の余り、男性に対して心を開こうとしない彼女でしたが、 余りにも素朴で屈託のないジョージに次第に惹かれていき、 彼が突然授かった能力で、思わぬトラブルに巻き込まれたり、 徐々に周囲の人間から薄気味悪がられるようになったりしても、 なお彼に親愛を示し、かばおうとする 数少ない人間の1人になりました。 (なんか英語の直訳みたいな言い方で済みません)。 “数少ない人間”の中には、 ジョージが父親のように慕う医者(ロバート・デュバル)もいましたが、 この人の名演が、映画全体を引き締めていました。
ところで、正体不明の閃光は、 実は非常にシビアな結末につながっていました… あのオチはどうもね、という方も多いかもしれませんが、 私としては、あそこまで含めて非常にこの映画を気に入ったので、 ここで未見の方にお勧めするものです。
私が昨晩見たのは、4月公開予定の『光の旅人 K-PAX』でした。 ケヴィン・スペイシーが、「K-PAX星人」を自称する不思議な男、 そんな彼と接触し、彼の正体に迫っていく精神科医を 奇しくも1984年『スターマン』でエイリアンを演じて オスカーノミネートの実績もあるジェフ・ブリッジズが演じていました。 久々に、なかなかツボを心得た邦題だなあと思いました。 とにかく、目に焼きつきそうなくらいに美しい光にあふれた映画です。 メーンの舞台となる精神病院の描写も、 『カッコーの巣の上で』ほど酷くなく(傑作でしたが)、 『クレイジー・ピープル』ほどおめでたくなく(おもしろかったけれど)、 『パッチ・アダムス』ほど辛気臭くなく(……う〜ん)、 デリカシーを感じる仕上がりでした。 精神病院の現実は判りませんが、 少なくとも、美し過ぎる誤解を与えたり、 逆に嫌悪感を持たせたりするようなものではなかったと思います。
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