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2002年03月15日(金) |
ショコラ(2000年) |
毎月15日は、お菓子の日だとか。 そんなわけで、昨年の今日は、『夢のチョコレート工場』を 御紹介しましたが、 チョコレートといえば、その後、 こんな映画が劇場公開され、評判になりましたっけ。
ショコラ Chocolat 2000年アメリカ ラッセ・ハルストレム監督 ※1988年のフランス映画で、原題・邦題とも全く同じ 『ショコラ』という映画があるので、 タイトル部分で「2000年」とつけさせていただきました。
舞台は1950年代のフランスの田舎町で、原題はフランス語で、 監督はスウェーデン人で (御丁寧に同国人で監督の妻でもあるレナ・オリンまで出ていて) 軸になる母娘を演じたのがフランス人なのを初め、 ヨーロッパ各国の実力ある役者がそろい、 アメリカ人はジョニー・デップくらいしか出ていないのに (キャリー・アン・モスはカナダ人) みんなでフランス語みたいにぼそぼそと英語のセリフを話すという、 でもそこが魅力の、実に不思議な薫りのする映画でした。
教会というコミュニティーを中心に、 よくいえば慎ましく、悪く言えば偏狭に暮らしている町の人々が、 根無し草のような暮らしをしてきた女性(ジュリエット・ビノシュ)が、 よりによって四旬節(断食しなければならない)と時を同じくして 開いたチョコレート店の商品の数々に、 心をとろかされていくというお話。 ちなみに、ジュリエットの娘を演じたヴィクトール・ティビソルは、 3月7日御紹介分の『ポネット』に主演していました。
牧歌的なムードと、それに似合わないようなシニカルな隠し味を、 私自身はとても気に入ったのですが、 好き嫌いがくっきり分かれそうな作品だと思いました。 過去、こちらでも御紹介したことのある映画を例に挙げれば、 『バベットの晩餐会』や『この森で、天使はバスをおりた』 あたりを彷彿とさせます。 そして、「ハルストレムですが何か?」とでも言いたげな、 いっそ気持ちのいいばかりの、ツメの甘い御都合主義は健在です。 といっても、だから「ダメ」と言いたいわけではなくて、 そんなところがまた、浮き世離れしたおとぎ話感を高めてもいました。
この映画、渋目の豪華キャストも魅力的ですので、 「映画は役者で見る!」という方にはお勧めです。 例えば、上記で名前を挙げた以外にも、 キャリー・アン・モスの母親がジュディー・デンチ、 レナ・オリンの暴力的な夫が、 『アルマゲドン』のロシア人を怪演したピーター・ストーメア、 大昔に戦争で亡くした夫の喪に服している女性がレスリー・キャロン、 新任の若い神父がヒュー・オコナーなどです。 (『マイ・レフトフット』でD.D.ルイスの少年時代を演じていました)
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