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2002年03月09日(土) グリーン・カード

3月9日は、記念切手記念日だそうです。
じゃ、A.ヘップバーン主演の「アレ」にしようかとも思ったのですが、
ここでこの映画のタイトルを挙げること自体が
ネタバレにつながるおそれもあるので、
「緑の供養日」という、
具体的に何をすべきかわからない記念日に着目いたしました。

グリーン・カード Green Card
1990年アメリカ ピーター・ウィアー監督


直接的な意味での「グリーン・カード」は、
御存じのとおり、米国永住権の通称ですが、
それを求めてフランス男(ジェラール・ドゥパルデュー)が
偽装結婚するアメリカ人女性(アンディ・マクダウェル)は、
緑あふれるアパートに住みたいと願っていたものの、
希望の部屋は「夫婦世帯に限る」という入居条件があり…

そこで、2人の利害が一致したところで「結婚」し、
鳥のえさのような食事をついばむ禁欲的な女と、
がつがつと肉食し、人生を享楽的に過ごす男という
対照的なカップルが誕生するというお話でした。

設定が少々珍しいというだけで、いわばラブコメディーの王道
「反目し合っていた2人が…」というお話ではあるのですが、
(ついでに、女性に最初はパーフェクトな恋人がいるあたりもお約束)
地味ながら魅力的な大人の恋愛物語です。

タイトルの「グリーン」には、マクダウェルが慈しむ
見事な植物の数々というニュアンスも含ませているようですね。
公園課の職員で、緑化ボランティアの仕事にも精を出す女性で、
ブロンティーという役名でした。
たしか父親が「ブロンテ姉妹」からとった名前だったと思いますが、
そんなアカデミックな趣味を持った親御さんをも魅了したのが、
ドゥパルデュー扮するジョージの飾らない人柄や、
さりげなく弾いたりするピアノでした。

(ピアノ演奏で見直されるというエピソードは、
ドイツ映画『逢いたくて、ヴェニス』にも登場しましたが、
全く弾けない者としては、何となく納得できる「理由」です)

ピーター・ウィアー調とでもいいますか、
(『いまを生きる』『刑事ジョン・ブック/目撃者』など)
単純なハッピーエンドではないのに、
何となく充実感のあるラストもおすすめです。


ユリノキマリ |MAILHomePage