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2002年01月14日(月) シティ・スリッカーズ

1959年1月14日、南極観測隊に同行し、置き去りにされた
樺太犬のタロとジロの生存が確認されたことに因み、
きょう1月14日は、愛と希望と勇気の日だそうです。
…が、残念ながら、私はドンピシャリの映画『南極物語』を未見で、
この先も、見ることがあるかどうかわからない有様なので、
「愛と希望と勇気」というインパクトの強い並立から思い出した映画を
本日は取り上げさせていただくことにしました。

シティ・スリッカーズ
City Slickers

1991年アメリカ ロン・アンダーウッド監督


この映画が日本公開されたときのキャッチフレーズを聞いて、
映画の中のミッチ(ビリー・クリスタル)たちと同じような、
何となく都会でのキリキリした生活に倦んでいた人たちは、
自分へのメッセージだと思ったのではないでしょうか。

覚えていますか?
「人生に必要なのは、愛と勇気と有給休暇」
というやつです。

映画の冒頭、「エンシェロ」(牛追い…というか追われ?)で知られる
スペインのサン・フェルミン祭りに、
ミッチが友人たちと参加するシーンが見られます。
勇壮というべきか、アホっぽいというべきか、
テレビなどであの牛と人間が街中を走る映像を見るたびに、
「なんなんだ…」と理解しがたいものしか残らなかったせいか、
どうも、「善良であるがゆえに生活に疲れてるアメリカ小市民」たちの、
自己実現の考え方みたいなものがよくわからず、
それでも、「はっはは。バカだねー」と思いつつ見ました。

まあ、そんなふうに、金を出してスリルを買い、
何かを打破しようとしている男たちでしたが、
そんな中、カウボーイ体験ツアーに参加し、
ガイドの老人(ジャック・パランス)との交流や、
つくられたスリルではない、本物のアクシデントなどにも遭遇し、
そんな体験の中で、大切なもの、
大切にすべきものを見つけていくのでした。

予定調和といっちゃえばそれまでなんですけど、
「シティー・スリッカーズ」というタイトルとは裏腹に、
真っ直ぐなつくりで、なかなか爽快感を味わえる映画です。

この映画は、往年の西部劇の悪役ジャック・パランスに、
アカデミー助演男優賞をももたらしました。
(『バグダット・カフェ』で、ヤスミンに求愛する画家役もよかったですね)
渋くて存在感のあるかっこいいじーさんでしたが、
個人的にはミッチの天然ボケの親友を演じたブルーノ・カービィが、
何だか好きです。

リフレッシュのために有給休暇をとって、
シティー・スリッカーズ(迷える都会人)を返上しよう!
と高らかに言うには、
現在の日本の状況は何かとお寒いけれど、
映画で擬似体験というのも悪くないと思います。

なお、この続編『シティー・スリッカーズ2』の方は、
聞けば聞くほど前作とは違うテーマで、全く興味が持てなかったので、
私自身は未見なんですが、実際のところどんな感じでしょう?


ユリノキマリ |MAILHomePage