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今日1月9日は、「1・9(いっきゅう)」ということでとんちの日、 さらにはクイズの日だそうですね。 ストレートに「クイズ・ショウ」なんて映画もありますが、 既に取り上げ済み(4月19日)なものですから、 ならば、全く無関係でもないこの作品を。
マグノリア Magnolia 1999年アメリカ ポール・トーマス・アンダーソン監督
3時間以上にわたる長尺もの(だからビデオは2巻組)の 「ながいながいにんげんの話」……と言いたいところですが、 実は、ある1日の、12人の人々の生活を描いたものです。 レイモンド・カーヴァーの短編と詩をうまく編んだ、 ロバートアルトマンの傑作『ショート・カッツ』とか、 J.ジョイスの『ユリシーズ』などを連想なさる方もおいででしょう。
監督は、1970年生まれの分際?で、 70年代のアメリカポルノ映画産業の裏幕を生き生きと描いた 『ブギーナイツ』も撮ったP.T.アンダーソンです。 (ドラマ『ロズウェル』のマックス役でおなじみのジェイソン・ベアや、 『シン・レッド・ライン』のジム・カヴィーセルあたりにちょっと似た なかなかの二枚目でもあります) 何にしても、人間群像劇に強い人のようですね。
L.A.サン・フェルナンド・バレーのマグノリア通りに住む 12人の老若男女の人生の絡み合いなので、 誰に焦点を当てて語ることもできないのですが、 強いて言えば、トム・クルーズが非常に怪しげな役で アカデミー助演男優賞にノミネートされました。 確かに熱演でしたが、どちらかというと、 彼の父親である元TVプロデューサー(ジェーソン・ロバーズ)の 看護人フィルを演じていたフィリップ・シーモア・ホフマンの演技の方が より印象に残るものだと、個人的には思います。 ちなみに、その父親が制作したものの1つが長寿クイズ番組でした。 (御長寿クイズ、ではありません) その司会者、出場者、さらにその家族・身内などのつながりもあり、 番組の全編を、このクイズ番組が貫いているような 描き方にもなっています。
「人生とは偶然の重なり合いである」ということを言いたいがために、 3時間以上の時間を割いているわけですが、 乗れない方にとっては、本当に「金と時間返せ映画」の最たるもので、 気に入った方・嫌いじゃない方にとっては、 もう2,3回見てみようか?という気にさせられる作品でした。 (私はこうして紹介するくらいですので、後者です)
また、いわゆるネタばらしってものについても 改めて考えさせられました。 私は念のために言及を控えますが、 この映画のラスト何分かは、 いろいろな意味で映画史に残るものと言われています。 なのに、なぜかあちこちで積極的にネタばらしされていたので、 「え〜、そう来るか」と驚くというよりは、 「ああ、こういうふうにしたわけね」と冷静に感心してしまいました。
映画を見ていて、伏線に気づいて内心ニヤッ…という感覚が お好きな方に、特にお勧めします。
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