Dailymovie
DiaryINDEXpastwill


2001年12月22日(土) 生きてこそ 

1972年12月22日(23日説もあり)、
飛行機墜落事故から71日後に、生存者16人が救出される…
という出来事がありました。
この出来事は、その事故現場により『アンデスの奇跡』と呼ばれ、
事故から21年後、映画化もされました。

生きてこそ Alive
1993年アメリカ フランク・マーシャル監督


英語の原題といい、邦題といい、的確でいいタイトルだと思います。

遠征に向かう学生ラグビーチームを含む乗客を乗せた飛行機が、
1972年10月、アンデス山脈に墜落しました。

パイロットなど即死状態で亡くなった犠牲者もいましたが、
若く体力のある学生連中は、この先の苦難に気づくことなく、
チョコレートやお酒を少しずつ分け合ったり、
犠牲者の亡骸を丁重に弔ったりしながら、
冗談を飛ばす余裕すら見せますが、
アンデスの空気の薄さと、万年雪が物語る気温の低さの中、
墜落9日目に、「捜索打ち切り」のニュースをラジオで知ります。
そして、絶望につぶされない体力をつけ、
徒歩で下界に降りて助けを求めるため、
「神の食糧」を食べる決意をするのですが…

この出来事について御存じの方も、そうでない方も、
「神の食糧」が意味するものは何か?
想像がつくのではないでしょうか?
彼らが生き抜くために越えた一線は、確かに衝撃的でした。
幾らでも興味本位に映像化できたであろうこの出来事ですが、
犠牲者に対しても生存者に対しても敬意を忘れずに、
丁寧に良心的に映画化してありますので、
さわやかと表現したいほどの感動作に仕上がっていました。
映像の美しさも魅力です。


ユリノキマリ |MAILHomePage