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2001年12月19日(水) ハイヤー・ラーニング

12月19日は、女優クリスティ・スワンソンの誕生日です(1969)
典型的なブロンド美人で、非常にふんわりとした感じのいい人ですが、
どうも個性が生かしきれていないのが残念なところ。
『マネキン2』のマネキン役や、『ホット・ショット』、
近作では『ビッグ・ダディ』にも出演しています。

ハイヤー・ラーニング Higher Learning
1995年アメリカ ジョン・シングルトン監督


この映画のテーマは、「人種差別」と「性的暴力」でした。
ちょっと辛口の青春映画といった風情です。

大学には優秀な黒人の学生がたくさんいましたが、
いわゆる急進派の白人学生にとっては目障りな存在でした。
白人の女子学生が黒人の男子学生とデートをしていると、
暗闇で2人まとめて暴行されるというような事件も発生しました。

クリスティ・スワンソンは、そんな中、余り裕福でない家の娘で、
名門大学に入ったものの、学費を延滞せざるを得なかったりして、
自分に自信のない、おどおどした女子学生を好演していました。
デートの最中、無理やり組み敷かれたことを契機に、
寮のルームメイトである黒人の女子学生のつてで、
全く接触のなかった黒人学生グループのリーダーに助けを求めたり、
レズビアン傾向のある美しい女子学生(ジェニファー・コネリー)との
“交際”を通したりの中で、
だんだんに自分をつかんでいくのでした……。

クリスティに憧れながら声もかけられず、
引っ込み思案で友達もできない気弱な男子学生が、
ネオナチに声をかけられ、洗脳されていくという描写も、
心成しか『ルシアンの青春』なんかをほうふつとさせ、
胸の痛むものでした。

若さゆえの傲慢さによる価値観のぶつかり合いだけでなく、
根深いアメリカの人種差別を目の当たりにさせられる、
結構残る1本だと思います。
原題を直訳すれば、「高等教育」といったところでしょうか。
テーマを考えると、非常に皮肉な感じです。


ユリノキマリ |MAILHomePage