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2001年11月22日(木) |
フィッシャー・キング |
1941年11月22日、 70年代に世界中を笑わせたモンティ・パイソンの唯一のアメリカ人、 テリー・ギリアムが生まれました。 といっても、この人の場合、コントにはそれほど出ておらず、 「変なアニメつくる人」のイメージでしたが、 今は、その独特の映像センスで、 ちょっとカルトな映画監督として支持されていますね。 彼の作品としてはちょっとおとなしめだと思われる、 次の作品を御紹介しましょう。
フィッシャー・キング The Fisher King 1991年アメリカ テリー・ギリアム監督
毒のあるトークで人気のDJジャック(ジェフ・ブリッジズ)は、 自分の不用意な発言が引き金となり、 無差別殺人事件が起こったことがトラウマとなって、 すっかり落ちぶれ、 レンタルビデオ店を経営する女性(マーセデス・ルール)の ヒモのような生活をしていました。
事件から3年ほど後のある日、たちの悪い不良に絡まれたところを バリー(ロビン・ウィリアムズ)という、 どう見ても「普通の人に思えない」キテレツな男に助けられ、 親しくなりますが、 実はバリーの妻は、3年前の犠牲者の1人だったのでした…。
といっても、バリーはジャックに復讐するために近づいたのではなく、 何というか、心に傷を抱える者同士が 何か通じ合うものがあって、友情を結んだように思えました。
よい意味で普通の「癒しの物語」のように響く筋ではありますが、 アーサー王伝説でもお馴染みの「聖杯伝説」が ストーリーに絡めてあるので、ファンタジー色も豊かです。 見ていて飽きさせません。
バリーが密かに憧れる女性リディアをアマンダ・プラマーが演じました。 R.ウィリアムズとは『ガープの世界』に次いで2度目の共演ですが、 相性がいいようで、風変わりでナイスなカップルぶりを見せてくれます。
また、時には叱り飛ばしながらも、 落ち目のジャックを健気に支えるビデオ店主(役名失念)を演じた M・ルールは、この年アカデミー賞助演女優賞を受賞しました。 「アメリカの根岸季衣」という風情で、 威勢のいい気丈な女性がぴったりはまっていたと思います。
テリー・ギリアム的世界がもともと好きという方には、 ちょっと物足りないかもしれませんが、 心がくたびれ気味のときに欲しくなるようなものが詰まっています。
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