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2001年10月09日(火) ガタカ

ガタカ Gattaca
1997年アメリカ アンドリュー・ニコル監督


まず、「ガタカ」とは、宇宙開発企業の名前です。
遺伝子操作でいかようにも理想の人間を産み出せるという、
非常にうそ寒い近未来を舞台にしていて、
映像もひんやりとした美しさをたたえたものでしたが、
単なるスタイリッシュでクールな映画ではなく、
独特の温かみさえ感じる、非常に感じのいい作品でした。

両親の「愛の交歓」の結果生まれたヴィンセント(イーサン・ホーク)は、
生まれつきの心臓疾患もあり、宇宙飛行士に憧れながら、
その第一歩としての「ガタカ」入社もままならない、
社会的に蔑まれた存在でした。

が、人間が遺伝子の乗り物と化しているそんな世の中では、
逆に言えば、他人に成り済ますことも可能です。
彼は、事故のせいで夢を絶たれたジェローム(ジュード・ロウ)から
遺伝子を買い取り、ジェロームになりきることで、
憧れの「ガタカ」の社員となり、
成績の優秀さもさることながら、非常な几帳面さで信頼され、
火星への乗組員として有望視されることとなります。

そんな彼の完璧さに、疑いと興味を抱いて近づいてきた
美女アイリーン(ウーマ・サーマン)とも恋仲になりますが、
社内で起こった怨恨によると思われる殺人事件のせいで、
歯車が徐々に狂い出していくのでした…

というストーリーなので、スリリングなおもしろさも十分です。

実は私がこれを見たのは、劇場のチケットを入手し、
何を見ようと迷ったとき、時間と日程が一番ちょうどよかったから。
そんな全くの偶然だったのですが、選んで正解でした。

ジュード・ロウには、『リプリー』といい、
「彼になりたい」と思われる役が本当に似合います。
(『ガタカ』は少々ニュアンスが違いますけど、
やっぱり美青年であることは重要だったとも思います)

3人の麗人の共演も魅力ですが、
ヴィンセントの弟で遺伝子操作で生まれたアントンを演じた
ローレン・ディーンにも注目です。
(というか、個人的に非常に好みです♪)

ところで、どうしてきょうの映画がこれなのかといえば、
1940年10月9日生まれのジョン・レノン(1980年12月死去)の、
愛息ジュリアンのことを歌ったと言われる「ヘイ・ジュード」、
名曲ですね。
そこで、※ジュードという名前に着目したのでした。
なら主人公が「日陰者ジュード」である『日蔭のふたり』もありますが、
ビデオをレンタル中で、まだ全部見ていないというお粗末さでして…
見終えたら、また感想などアップしたいと思います。

※後からわかったことですが、
実際ジュード・ロウのジュードという名前は、
ディラン・トマスの「日陰者ジュード」と「ヘイ・ジュード」の
両方に因んでつけられた名前だという説があります。



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