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今日9月2日は、語呂合わせで“くじ”→「宝くじの日」です。 宝くじ(ロト等)は世界中にありますが、 今日は、北欧の小さな村で、 宝くじの賞金を手にした女性の使い方に関する、 心温まる映画を御紹介しましょう。
バベットの晩餐会Babette's Feast 1987年デンマーク ガブリエル・アクセス監督
19世紀、デンマークの海辺の町ユトランドに暮らす 信心深い姉妹のもとで、 ある事情を抱えてフランスから逃れてきた女性バベットが、 無報酬で家政婦として働くことになります。
14年後。 牧師だった父の遺志を継ぎ、 地道に宗教的な活動してきた姉妹の努力も虚しく、 信者は何となく減るし、村人は皆年をとり、小競り合いも起こりがち…
そんな中、宝くじで1万フランを当てたバベットは、 (このシーンが、ヨーロッパ映画らしい控え目な感じで好き) 牧師の生誕百年を記念したパーティーを開いて、 豪勢な料理をつくろうとしますが、 豪華な料理に使われる食材は(特に海のモノ)は、 貧しく質素な村では珍しく……グロテスクで、 素朴な姉妹は、それらが運ばれてくる様子を見て、 「美食はやはり罪悪なんだ」とヒビってしまいます。
これが封切られた当時、日本はバブル景気の入り口にあり、 また折からのグルメブームと相まって、 『バベット…』を見て、 映画に出てくるものと同じ料理を食べよう、的な イベントが開かれたと記憶しています。 (ビンボー学生だった私は、 新聞で読んで、「ふざけろよ〜」と思っただけですが) 映画とディナーで1万8,000円くらいだったかな? 今だったら、ロードショー当日券大人10回分ですね。
この映画でぜいたくなのは料理だけで、 あとはもう、全体に清貧というムードが漂っているので、 そういうイベントは、 映画に裏打ちされた精神性に反しているような気がして、 ちょっといただけないな、と、ひがみ半分で思ったのでした。
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