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2001年07月19日(木) パンダ・コパンダ

明日公開の『千と千尋の神隠し』に因み、今日も宮崎アニメを。
でもって、ヤケ気味なのですが、これもまた高畑勲監督作です。

パンダ・コパンダ
1972年日本 高畑勲監督


宮崎駿さんが原案を書いた、いわば「日本版長靴下のピッピ」です。
ところで、ピッピのお話は御存じですよね?
スウェーデンの児童文学者リンドグレーンが書いた、
Mr.ニールセンという猿と、馬とともに暮らす、
「世界一強い女の子」の物語です。

『パンダ…』の主人公・ミミコは、もともとはおばあちゃんと2人暮らしですが、
おばあちゃんが長く留守をすることになり、
竹藪のそばの小さな家でのしばしの独り暮らしが始まろうとしていた矢先、
ひょんなことから、パンダ父子と一緒に暮らすことになります。
この父子はサーカス団から逃げてきたのですが、
「ミミコもいない、竹藪もない」サーカスに戻るのは嫌だと言って、
戻ることを断固拒否します。
ミミコとて、すっかり打ち解けた2頭(というより2人)を、
易々と引き渡す気はありません。

今見ると稚拙極まりないものの、
紛れもない宮崎さんデザインのキャラで、
ミミコの吹替えは、「ハイジ」こと杉山佳寿子さんで、
今は亡き山田康夫さんまで、ルパンを彷彿とさせる
ルックスのキャラクターの声を担当していました。
つまり、ごっつ70年代の薫りがするアニメでして、
もともとの上映が、ゴジラシリーズとの併映だったそうです。
今や邦画の稼ぎ頭である宮崎ワールドの原点は、
こんなにも素朴でしたよ〜ということを味わう意味でも、
見てみれば楽しめると思います。
そういえば、ミミコの家は、どこか「となりのトトロ」の
クサカベさんちを彷彿とさせるものがありました。
しっかりものの少女、間抜けな大人の男、愛すべき老人、
人間以外の動物がしゃべっても、
「そういうもの」として受け入れてしまうような、恐るべき柔軟性……
80年代以降、大人も見られる映画としての市民権を得た宮崎アニメの、
どこかに出てきたモチーフばかりではありませんか!

ところで、今年の初めに那須のテディベアミュージアムに行ったら、
売店でこの「パンダ・コパンダ」のぬいぐるみが少しだけ売られていました。
まあ、クマには違いないけれど、何か違うような……

そうそう、ここのミュージアムには、
(時々ディスプレイの入れ替えはあると思いますが)
映画のワンシーンをクマさんオールスターキャストで
再現したコーナーがあるのですが、
『カラーパープル』でウーピー・ゴールドバーグが演じた
セリー役のクマさんが見事でした。
『カラーパープル』を見たことがない我が長女ですら、
一目で彼女だとわかったほどです。
(というか、あのドレッド風のヘアのせいかな)

ただし、映画のタイトルは一々ついていないので、
思い込みの激しい人だけにそう見えるコーナーだったかもしれませんが、
でも、あれは絶対ウーピーだったと思うなあ……


おっ、気づいたら、結局宮崎さんの名前しか出てきませんでしたぞ。


ユリノキマリ |MAILHomePage