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1951年7月8日、 女優のアンジェリカ・ヒューストンが生まれました。 名匠故ジョン・ヒューストンを父に持つ、 何ともエキセントリックで迫力ある美女ですね。 (『アダムス・ファミリー』の母が務まるほどだから) 彼女が演じた役では、 『バッファロー’66』のV.ギャロの母親が最も好きです。 アメフトに入れ揚げていたオバチャンですね。 『女と男の名誉』(85)でいきなりオスカー獲っちゃった頃から、 十分すぎるほどの貫祿があったけれど、 実はまだ若かった……
でも、役はともかく、彼女の出演作で最も好きなのは、 やっぱりこれでしょう。
エバー・アフターEver After 1998年アメリカ アンディ・テナント 監督
誰もが知っているいわゆる サンドリヨン(シンデレラ)の物語を、 豪華キャスト、痛快アクション仕立て、 笑っちゃうような勧善懲悪で 描いたのが、この作品です。
シンデレラ的ヒロイン“ダニエル”を演じたのは、 1999年、「もう『E.T』の子、とは言わせない!」とばかりに、 『エバー……』を含む3本の主演作が日本公開になった ドルー(ドリュー)・バリモアです。 ただ美しくかわいらしいだけでなく、 タフさも要求される役だったので、 小柄ながらしっかした体つきで、 意志の強そうな目をした彼女にはぴったりでした。
シンデレラにタフさ……とな?と思われた方も、 いらっしゃるかもしれませんね。 この映画のダニエルは、舞踏会に行きたいわぁと言いつつ、 めそめそと台所仕事をする女性ではありません。
忘れがち?ですが、シンデレラはもともと城主の娘で、 父ちゃん亡き後、 継母と姉たちにいじめられるという設定でしたが、 この映画では、それがよりはっきりとわかります。 考えてみれば、子供向きの童話本では、 シンデレラが1人でお屋敷の雑事を やらされている印象を受けますが、 ほかにも小間使いは何人もいると考えた方が 常識的ではないでしょうか。
ダニエルは、泥遊び好きなお転婆娘が そのまんま背だけ伸びたような娘で、 彼女を昔からよく知っている お屋敷の気のいい小間使いたちと一緒に、 1日じゅう(楽しそうに)働いています。 「可憐な容姿に似合わない」 と敢えて言いたいような強さがあり、 知恵と教養があり、 (トマス・モアの言葉をさりげなく引用したりする!) 艱難を自分の力で乗り越えてゆく勇気があって、 (要するに、『オズの魔法使い』で カカシくんたちが欲しがったものを、 すべて持っているということです) 王子を体を張って助けることすらあります。
で、継母役のアンジェリカですが、 何しろ後妻とはいえ、新婚生活に水をさされるように 夫が亡くなってしまう上、 その新婚夫が最期に気にかけたのは娘ダニエルのことだけで、 やりきれない気持ちになったのも、一応は理解できます。 (一応初対面のときは、 ダニエルの歓心を買おうという歩み寄りは見られました) 彼女の連れ子は、ダニエルから見ると、 一応美女風で、性格は母そっくりの上の姉と、 ぽっちゃり型で、基本的には性格がいい下の姉。
王子の両親(つまり王と王妃)なんて、 ほとんど夫婦漫才のようなコンビだし、 なぜかあのレオナルド・ダ・ヴィンチが王子のカテキョーだし、 全体にコミカルなこの映画の中で、 アンジェリカは、コミカルな中にも、 なんとも言えない業のようなものをにじませたねちっこい演技で、 それがまた「浮く」というよりは「際立って」いる感じで、 飽きない映画でした。
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