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2001年07月05日(木) 結婚記念日

今日7月5日は、私たち夫婦の11回目の結婚記念日です。
披露宴も挙式もなしで、
時間休をとって婚姻届を市民課に出しに行っただけという、
これ以上ないほどの地味婚でした。
そういえば、11年前も木曜日だったなあ。

そして、今日御紹介する映画の夫婦は、
結婚16年目だそうです。

結婚記念日 SCENES FROM A MALL
1991年アメリカ ポール・マザースキー監督


弁護士のニックと精神分析医のデビーは、
子供にも恵まれ、人もうらやむような仲良し夫婦ですが、
実はお互いに浮気の古傷あり。
それをよりによって結婚記念日に
2人で買い物に行ったショッピングモールで告白し合うから、
もう大混乱……というような、いわば他愛もないコメディーでした。

90分足らずの短さで、舞台はほとんどショッピングモール内で、
正直、こんなんで映画になるのか?と思うような設定ではありますが、
何しろニック役を、この映画に限っては俳優に徹したウディ・アレン、
デビーはエンタティナーのベット・ミドラーという、
ユダヤ系大物スターがタッグを組んだ格好となりました。
いや、タッグを組んだわけではなくて、
モールを舞台にしたガチンコ勝負を展開したというべきでしょうか。

大きなショッピングモールに行くと、何だかわくわくしませんか?
私は根っから田舎者のせいか、
テナントがいっぱい入っているような建物に足を踏み入れると、
とにかくなんだかんだ見て歩くのが楽しくて、
必要なものを買って、アイスクリームの1つも食べれば、
「ああ、楽しかった」という気分をいつでも味わえます。

5年くらい前、故・伊丹十三氏は、愛妻・宮本信子主演の
『スーパーの女』を撮りましたが、
あの映画、実は夫が会社から「仕事の参考に見に行くように」と言われ、
しぶしぶ私もつき合って見にいきました。
でまあ、これも、もっとおもしろくしようと思えばできたろうに、
どうしてああもベタベタな演出をするんだろうと思ってしまい、
決して満足のいく映画ではなかったのですが、
商品があふれ返るシーンでは、自然とわくわくしました。
(夕方のローカル情報番組にありがちな、
「値切ります」コーナー見てもわくわくしますが)

アメリカは、日本以上に消費大国というイメージがあります。
満艦飾の商品パッケージや生鮮品に心をおどらせてしまうなんて、
エコロジーの発想からいくと、かなり罰当たりなのでしょうが、
結婚記念日にモールという生活くさいところにに出かけた仲良し夫婦が、
よりによってそこでけんかおっぱじめてしまう。
ついでに、「何だったのさ」と言いたくなるような仲直り……
くだらないけど、なんだかそういうのっていいなあと思えるのは、
危ない橋を渡りながらも、
何とか11年目を迎えることができたからかもしれません。

そして、この映画を表現するときに、「夫婦の機微」などという
インテリくさい言葉を使ってはいけないのです。
夫婦なんて、そんなカッコイイもんじゃないですよ。
(本当にカッコイイと思っている人がいるかどうかも疑問ですが)


ユリノキマリ |MAILHomePage