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3月17日はアイルランドの守護聖人に因んだ 聖パトリックの祝日です。 そもそもIrelandには緑の国という意味があるそうですが、 この祝日には、緑色のものを身に着けると いいことがあると言われています。
「西洋盆」ともいうべきハロウィンが何となく市民権を得たように、 このセント・パトリック・デイに緑のものを身に着けたり、 緑色のビールで乾杯したりする日本人も、 最近は結構いるようですね。 私の暮らす田舎では、お目にかかったことがありませんが。
田舎といえば、かつて明治の詩人・丸山薫が 「汽車にのつて」という詩をよみました。 「アイルランドのやうな田舎に行く」のだと。 この詩にはその後、曲もつけられ、 今はコーラスなどにも使われているので、 聞いたことのある方もいるのでは?
そこでアイルランドが舞台になった映画や、 アイルランド色が強い作品、 アイルランド資本で撮られたなど、あれこれ御紹介します。
タイトルの羅列になってしまいそうですが、 これがまあ、本当にたくさんあるのですね。
『父の祈りを』『マイケル・コリンズ』 『ナッシング・パーソナル』など、 政治思想色の強い作品は言うに及ばず、 ほのぼのしたファミリードラマ、ファンタジー、 青春映画など、枚挙にいとまがありません。
もっともアイルランドといっても、御存じのように 北アイルランドは、厳密にはイギリスの一部です。 正直、イギリスとアイルランドの関係について 正しく理解できている自信が、私にはありません。 だから、イメージ優先の話になってしまいますが、 なんと文化性の高い国なのでしょう。
どこか郷愁を誘うケルトミュージックの国で、 エンヤやU2やシネイド・オコナーが生まれました。 イギリスのU2といわれる (と言っている人を、間近で見たことはないのですが、 この表現は聞いたことがあるので、一応) シンプル・マインズは、 「ベルファスト・チャイルド」という曲を しっとり演奏していました。
4人のノーベル文学賞受賞者を輩出し、 優れたイギリス文学者とされる人は みんなアイルランド人だとさえ言われ、 比較的最近の映画『アンジェラの灰』では、 「シェークスピアは素晴らしい。 きっと彼はアイルランド人だったんだ」 なんてセリフが出て行きました。
「パディ・クラーク ハハハ!」でブッカー賞を 受賞したロディ・ドイルの作品は、 『ザ・コミットメンツ』『スナッパー』『ヴァン』の ラビット一家三部作が映画化。 残念ながら、「ヴァン」は日本未公開の上、 ビデオも出ていない模様ですが、前の2作品には、 熱くなったり、笑ったり、ほろっときたりした人もいたのでは?
丸山薫が、思いをはせながら行くことができなかった 「アイルランドの田舎」が見たいなら、 小さな村の宝くじ騒動を描いた 『ウェイクアップ!ネッド』 往年のフランス映画「わんぱく戦争」のリメイク 『草原とボタン』 アイリッシュ・アメリカンの政治家の票獲得のために、 ルーツを求めてアラン島に派遣された美人秘書の運命は?…… 『恋はワンダフル!?』 といったあたりでしょうか。
ほかにも、タイトルだけ挙げれば、 『フィオナの海』>『サークル・オブ・フレンズ』 『マクマレン兄弟』『静かなる男』et cetera
ここまで書いておいてナンですが、 これをテーマにした私がバカでした。 深遠過ぎて、書けば書くほど足りない気がしてきます。
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