気ままな日記
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ふと気が向いて、夕方テレビを付けた。 チャンネルを回す(リモコンの場合、チャンネルを回すと言わずに、なんと言うのか)。 テレビショッピングの番組に目がとまる。ファッション界はすでに冬。毛皮のついたコートを着た女性がひとりふたり、しなしなと歩いている。 「なあんと、3万円を切るお値段!」とは、こうした番組の常套句。さていくらなのかと、耳を澄ますと29,925円也。確かに3万円きってるけど、そんなに驚くほど、きってるわけでもなし。申込みの電話をかけたり、コートに合うバッグなんか買ってたら、軽く3万円超えるね、これは。
次に登場したのはコスメ。某有名写真会社が開発したという化粧品のセット。その会社の開発担当の女性と、番組の司会者との掛け合いで売り込みが進む。これがまたすごい。 「へえええええ」 「はああああああ」 「ほおおおおおおお」と大げさな感嘆詞。 「大丈夫ですか、あなた。しらふですか」思わず声をかけたくなるほどのテンションの高さ。 「ずわあああっと美容液が肌に浸透していくのがわかるのって、すごくないですかああ」と大はしゃぎ。 多分彼女たちにしたって、この掛け合いも、見せ場のうちと割り切って演じているのだろう。確かに、いったいどんなふうに、ずわわわあああ、と浸透していくのか、試してみたくなったもの。 でも、人工的な液体がみるみると肌に食い込んでいくのって怖くないか。 実際に買って試してみた人の声がそれに追い打ちをかける。 「毎朝、鏡を見るのが楽しみになりました」。 ……それも怖い。
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