気ままな日記
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帰りに立ち寄った書店で手にとった、 「石垣りん詩集」の中の一節。
「自分の住むところには 自分で表札を出すにかぎる。
自分の寝泊りする場所に 他人がかけてくれる表札は いつもろくなことはない。
病院へ入院したら 病室の名札には石垣りん様と 様が付いた。
旅館に泊まっても 部屋の外に名前は出ないが やがて焼き場のかまにはいると とじた扉の上に 石垣りん殿と札が下がるだろう そのとき私がこばめるか?
様も 殿も 付いてはいけない、
自分の住む所には 自分の手で表札をかけるに限る。
精神の在り場所も ハタから表札をかけられてなならない 石垣りん それでよい。」 (以上『表札』より抜粋) 立ち読みしていたら手放せなくなったので、買って帰って繰り返し読んだ。 父の建てた家、母の植えた花がわんさか咲き乱れる庭・・・。 わたしの居場所についていつも感じていた違和感。 せめて精神の在り場所だけは、社会の基準にも誰に対しても明渡すまいと、ハタから表札をかけられそうになるたびに、わたしは茫漠とした頭の中で必死に抵抗を試みる。
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