影というのは、時にとてもこわい印象を与えます。 昨日の夜、車から降りたとき、 娘が外灯の光によって作り出された私と自分の影を 「わ! お母さん、影ぼっこだ! こわっ」 と、指差しました。 そして、 「どうして、影がこわいと思うのかな…」と。
昼間に見る影には、夜に見る影のようなこわさはありません。 けれど、夜になると、自分の影さえ、ちょっと不気味になります…。 そこに何かがひそんでいる…そんなふうに思えるからでしょうか。。。
表紙の絵の黒い人物の表情が何ともこわい。 きっと娘がもう少し幼かったら、 「この絵本はこわいから、どこかにしまっておいて!」 と言われたかもしれません。 (そう言って、封印された本が我が家には何冊かあります…笑。) 今年になってから、 娘は多少、こわいものに対して弾力性のようなものが出てきたようです。 (あれほど拒否していた「ハリーポッター」の映画も見たいと言うようになった…)
「この本、こわっ!」 と言いながらも、影ぼっこの不気味さを楽しむ… そんな余裕が彼女の中に出てきた様です。
火と光、それによって生じる影の世界、 それは恐ろしく不気味なものであるとともに、 私たちに寄り添って存在するもの…。 だから語り手たちは、影に命を吹き込んでいったのでしょうね。
「影ぼっこ」 ほるぷ出版
ブレーズ・サンドラール/文 マーシャ・ブラウン/絵 おのえ たかこ/訳
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