【三志塾】 塾長yoneの授業日記

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2000年12月15日(金) (._.)

小6に1人だけいつも寂しそうな表情を見せる女の子がいます。
クラスの子たちともあまりしゃべらず、授業中に当ててもいつも小さな声。
ずいぶんおとなしい子だなぁ、とは思っていました。
しかし、最近あまりにも寂しい・・・というか、
暗い表情に思えたので、昨日その子に
「何か悩んでいることあるの?」
と聞いたところ、最初は何も話してくれなかったのですが、
彼女の目が何かを訴えていたので
「心に思っていること1つでも言うとスッキリするよ」
と促すと、無口なはずの彼女が涙をこぼしながら、
これまで言いたくて誰にも言えなかったことを一気に話してくれました。

幼稚園のころから友達にからかわれて嫌な思いをしていること、
母親が自分よりも弟のことばかりを可愛がっていること、
学校と塾と家庭教師、バレエやピアノの習い事で息つくひまがないことなどなど。

話を聞いているうち、彼女が無表情を装っていることや無口なことも
なぜだか少しわかってきました。
同じクラスの子から「あんたの笑う顔はウザイ」と言われたこと、
それ以来何か言われないようにできるだけ目立たないようにしていること。
そして親には心配かけたくないので学校であった事を言わず、
自分ひとりでその苦しみを背負っていること。それも6年間も・・・

彼女は自分で自分の存在を薄めていくこと、
自分の主張を抑える事で身を守ってきたようです。

彼女が嗚咽しながらそのことを告白してくれている間、私も泣いていました。
なぜ小6の子がこんなに気を遣いながら毎日を送らないといけないのか。
なぜ自分の存在を薄めながら生きていかないといけないのか。
そんな怒りにも近い思いがしたのと同時に、塾が彼女の負担の一部になっていた
ことにショックを受け、自分のやっていることは一体何なんだ?という疑念に
かられました。

母親には事情をすべてお話し、
彼女が家族に色々話せる環境を作ってやってほしいことと、
息をぬく時間を作ってやってほしいことをお願いしました。

お母さんにお願いしている間、
横にいる彼女の目が「塾があるから息がぬけないの!」と言っているようで、
私自身「息をぬく時間を・・・」なんて言えた義理じゃないと感じました。
自分のこの仕事は子どもたちのためになっていると思っていたのに・・・
苦痛を与えていたなんて・・・

・・・


過去の今日・・・



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