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2005年07月12日(火) 「電車男」

書籍化をきっかけに、映画にドラマにマンガ(しかも数種類)に舞台にとものすごい勢いで多角的メディア展開を見せている「電車男」。こういう話題性主体の作品は鮮度が命なので、新鮮なうちに便乗しておこうと飛びついた各業界の姿勢はまったくもって正しいと思います。私は「電車男」って、ストーリーそのものは特段目新しいものではないと思うのね。女性に縁のなかった青年が仲間の協力を得て美女との恋を成就させるという。秋葉系オタクとかネットとか掲示板とかキーアイテムが現代になってるだけで、ラブストーリーとしては古典的というか、比較的王道路線なんじゃないかと。
それでは「電車男」の特異性とは何か、それは言うまでもなくこの物語の成立過程です。インターネットの掲示板から生まれたという背景、さらに、この話には“作者がいない”ということ。同じようにネットの掲示板から生まれたというだけなら確か「猟奇的な彼女」もそうだったと聞いていますが、でもあれにはその話を書き込んだ作者がいたわけです。ところが「電車男」には作者がいない。電車男の書き込み+それに対する不特定多数のレスで築かれた物語なので、電車男自身も作者ではありません(ついでに言っておくと、電車男が実在するか・この話が事実かどうかということも関係ない)。つまりは作者不在、インターネットと2ちゃんねるというメディアによって自然発生した物語であると言うしかなく、そこが「電車男」の本質、極めて特徴的な側面だと思われます。…だからこれ著作権がどうなってるのかすごい気になるんですけど。ネットでざっと調べただけなので詳しくはわかりませんがやっぱり新○社のやったもん勝ち一人勝ちなんですか(笑)。


って映画と関係ないことばかり語ってますが。
だから映画はどうだったんだよという感じですが。


いや、悪くはなかったです。むしろ予想してたよりずっと良かった。けど、何度も言うようにストーリーそのものは割とオーソドックスな純愛モノなので、特筆すべき点もなかったなあというのが正直な印象。というかリアリティという点ではちょっとどうなんでしょう、私は本を読んでないのでどこまで忠実に映画化されたのかわからないんだけども、電車で助けられたくらいでエルメスのカップを贈るだろうか?会って間もない男性をあんなに簡単に自宅に招待するだろうか?その辺含めてなんだか最初から全てエルメスさんの計算ずくだとしか思えな…いや、計算ずくっていうのは言葉が悪いか。美人を妬んでるんですスミマセン(笑)。要するに、最初からエルメスさんの方が電車男にぞっこんだったと。そういうドラマに見えました。初デートの時から「次も誘って!」光線をビンビンに発していたし。月を写メールで撮って送るのだって角砂糖を綺麗に並べるのだって、エルメスさんはグッときたかもしれないけど人によっては逆にひいちゃう場合もあると思うよー。

中谷美紀はおっとりしたお嬢様のイメージにぴったりでとても良かったと思います。電車男役の山田孝之も悪くないです。独特の早口でマトリックスにおける押井守の影響について語るところなんかいかにもそれっぽくてグッジョブ! あとラスト。走り回って転んでやっとエルメスに会えてえぐえぐ泣きじゃくってる姿がなんか妙に可愛かったんですけど…!いや、どうにも男の人が泣いたりボロボロになったりしてる姿を見るのが好きですね私は(鬼畜)。

それと、エンドロールの後にちょっとしたオマケがあるので最後まで席を立たない方がいいですよ! ドラマの方は見ていませんがチビノリダー主演でスタートしたようで…って、みぃさんも仰ってましたがひょっとしてチビノリダーという言い方はもう若い人には通じないのでしょうか?(笑)



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電車男

2005年 日本
監督:村上正典
出演:山田孝之、中谷美紀
(劇場鑑賞)


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