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2004年12月13日(月) 「ハウルの動く城」

はあ、まあ、よろしいんじゃないでしょうか。

いや別に嫌味を言ってるのではなく、失望したとかつまんなかったとか言いたいわけでもなく、個人的には良くも悪くもない印象というか、特に深く語りたい気にならない映画でした。カルシファーがお気に入り!とか、キムタク意外と悪くないじゃん!とか、マルクル役の神木君めちゃウマ!とか、観終わってみて言いたいことはその程度。

※ 以下あらすじに触れてるのでこれから鑑賞予定の方は注意!


家業を継いで黙々と帽子屋を営んでいた18歳のソフィーが美形魔法使いハウルに出会って一目惚れ。そしたら荒地の魔女に呪いをかけられ突然90歳の老女になってしまい、最初はそれなりに驚くんだけど割とあっさり立ち直って(笑)ハウルの城に移り住み、色々ハウルの世話を焼いたりして、ハウルと愛を育む話。
…なんだけど、肝心のこの二人の愛の部分がいまいち説得力弱いような気がしました。ソフィーがハウルに惹かれた気持ちは理解できましたが、その後、互いが互いを必要だと思うに至る過程の描写がもっと欲しかった。ずっと外を飛び回って夜しか帰ってこないくせに突然「守りたいものができた、それは君だ!」とか言われても、あれれーいつの間に相思相愛?みたいな唐突感がありましたです。一方でマルクル&荒地の魔女とソフィーとの家族的結びつきについては比較的しっかり描かれていたと思うので、余計にハウルとの恋が淡泊に流されてしまった点が残念。…いや、ジブリで濃密な愛を描かれてもそれはそれで驚くけども(笑)。

二人の愛に限らず、ストーリー性は全編割と希薄だったと思います。どういう世界設定なのか(あの戦争の位置付けとか)、サリマンは結局何をどうしたかった人なのか、何のための呪いだったのか(ソフィー一人だけのことじゃなくその他全員含めて)、そこらへんに丁寧な説明がありません。ソフィーも内気かと思うと気丈だったり、環境適応能力があるなあと感心してると突然号泣したり、なんだか性格が不安定に見えたんですが…(少女期の心の揺れとは別のレベルで)。長女コンプレックスみたいな面をもっと強調してくれると面白かったかなあと、個人的には思います。そういう意味ではハウルの行動原理も若干不可解だったかも。でもこの辺の感じ方は原作を読んでるとまた違うのかもしれないですね。
それにしてもハウルはかなり私好みでした。あと一歩で惚れてしまうところでした。とりあえず文句なしの美青年だし、冒頭の登場シーンなんていかにも乙女心を刺激する王子様っぷりだったし、その後裸で項垂れて「ああ、美しくなければ生きていたって仕方がない…」などとオスカー・ワイルド脚本かと思うようなセリフを呟く姿には不覚にもクラクラきてしまい、おお宮崎アニメにもついに耽美キャラ登場か?!と俄に胸ときめきましたが、以後はいたって健全に話が進んでしまったのが耽美派なわたくしとしては非常に残念なところです。…いや、ジブリに耽美唯美退廃キャラが出てきてもそれはそれで驚くけども(笑)。

あー文句ばかり言いたいように見えるかもしれませんが決してそうではありませんです。城が動いているシーンは圧巻だし、背景(それぞれの街並みの雰囲気、花畑の美しさなど)は完璧だし、空中遊泳の浮遊感、飛行時のスピード感等々、見どころはそれなりにたくさんあります。中盤の階段シーンの面白さとか絶品だったな(笑)。キスで呪いが解けるという超古典的なモチーフも、いっそ清々しくて私は嫌いじゃないし。つまりそんな感じなんです。特別感銘を受けたとか心を奪われたとかいうことはないけど、2時間普通に楽しめた。
とにかく今はカルシファーがお気に入り〜。ベーコン食べたい〜。




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ハウルの動く城 【HOWL'S MOVING CASTLE】

2004年 日本
監督:宮崎駿
声の出演:倍賞千恵子、木村拓哉、
美輪明宏、神木隆之介、我修院達也
(劇場鑑賞)


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