INDEX|←back|next→
もーたいへんだった! 笑いをこらえるのが!!
失笑と絶句を繰り返した二時間でした。ザ・期待を裏切られた映画・2004年度ナンバーワンに決定。まだ2004年終わってませんが絶対これがナンバーワンだという自信があります。むしろ確信。噂には聞いてたけどここまでお粗末な仕上がりだとは!期待しすぎてた私が悪いの?前売り買ってまで楽しみにしてたのに!納得いかないよ!これでいいのか永井豪!呑気にカメオで出てる場合じゃないよ!!
いやとりあえず落ち着こう。落ち着け私。落胆のあまり感情的になってはいかん。せめて冷静に問題点を指摘すべきだ。でもごめんなさい、今日の感想は酷評になると思います。以下思いつくまま箇条書き。
---------------
・まず脚本が粗い。ストーリーは原作コミックの方を(アニメの方でなく)もとにしているようですが、エピソードをちょこちょこ取り出してつないでるだけなので流れに一貫性がなく説明不足。私みたいに原作知ってる人が頑張って脳内補完してやっと追いつけるレベルです。デーモンとかサタンとか勇者アモンなどという言葉を解説もなく当然のように使いつつ、あっという間に社会にデーモンが蔓延してしまう。 妖鳥シレーヌとか結局何しに来たの?って感じだし、飛鳥了の行動・存在自体が初めて見た人には意味不明だと思う。たぶん。
・演出がショボい。いじめのシーンや明とミキの恋愛関係やデーモン狩りを始めた人々の集団心理とかそのへんの描き方が今時どうよ?ってくらいクサすぎる。あれじゃ共感できないって。逆に滑稽だよ!70年代劇画ワールドを忠実に再現してるつもりかとも思いましたが時代設定そのものは現代なので違和感バリバリ。それと明は律儀にアニメと同じTシャツ着てましたがそんな余計な小細工は虚しいだけだと思います。ていうか気付いてしまった自分が切ない。(私は本当にファンなんだよ!アニメ見てたんだよ子供の頃!)
・一番ひいたのは明がデビルマンになる途中形態?みたいな特殊メイク。あれは必要なのだろうか…。カッコイイとか恐ろしいとか何か見た目のインパクトがあればまだ許せるけど、これはヒドイとしか言いようがない。
・主演二人の演技力がちょっと…。いや初主演で大変だったとは思うし演出がマシなら上手くカバーもしてもらえたんだろうけども。なんかこう、深刻なシーンやってても、どうにも見ていて気が抜けちゃうのね(笑)。ミキの父と稲刈りしてて明がデーモンだとバレる場面とか笑いこらえるの大変でした。わざとらしすぎ!
・そもそも明と了を双子の役者が演じる必要性が感じられないし。
・意味のないカメオ出演者たち。KONISHIKIとか小林幸子とか。何のために出てきたのかわからない。(アナタもですよ永井豪!)
・ロケはモニターがあるショッピングモールと海と学校と明の家の近所しか出てこない。世界狭すぎ。危機感に欠ける。
・というかなぜニュースが英語なんだ。
・あと、絵描きの友人(ジンメンの犠牲になった人)、なんていう役名か知らないけど明の呼びかけがいちいち「牛くん、牛くん、牛くーーん!」と聞こえて思わず「カエルくーん!」と返したくなった(@パペットマペット)。
---------------
あああ文句ばかりでごめんなさい。でも別に悪口言いたいわけじゃなくて、原作好きだから悔しいだけなんですよ。本当のデビルマンは哀しくも壮大な物語なんだよみんな! 思うに、一番マズイのは、「これを見せたい」「デビルマンのここが好きなんだ」という制作者側の思いがまったく感じられないことじゃないだろうか。細かいところで多少難点があったとしても、何か一本筋の通った心意気が感じられれば印象はガラリと変わると思うんだよね…。どうも本作は、原作におけるテーマを形式的になぞっているようにしか見えなかった。あとはまあ、センスの問題だよなあ。ビジュアル面にしても演出面にしても、とにかくセンスがダサすぎる。 例えば「CASSHERN」なんかもはっきり言って同じように意味不明展開の俺様ストーリーだし伊勢谷君の演技も完璧とは言い難かったけど、でもあの映画からは少なくとも紀里谷和明の持つ世界観というか、こうしたい、キャシャーンのここに心酔してるんだ、という意気込みがそれなりに伝わってきた。そこが大きな違いだと思うわけです。
気に入らないところばかりでもアレなので良かった点も挙げておくと、CGは好みでした。リアルを追究したCGでなくあくまで劇画調なところが気に入った。デビルマンを3Dにしたらきっとこんな感じだろうなあ、と。でもCGシーン短すぎ。もっとたっぷり見せてくれてもいいじゃんー。 いっそ全部CGでもよかっ えーと、あと冨永愛ちゃんはスタイル抜群でびっくりした。足長いです。以上!
****** デビルマン
2004年 日本 監督:那須博之 出演:伊崎央登、伊崎右典、酒井彩名、渋谷飛鳥、 冨永愛、宇崎竜童、阿木燿子 (劇場鑑賞)
|