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2002年12月29日(日) リプリー

素ぅ敵ぃ〜ちょっと!奥さん! フェロモン過剰分泌気味のこの色男ぶりはどうよ! いい男だなあジュード! わたくし大満足でございますよ。何しろ私が一番最近観た彼は御髪控えめな死体愛好者でしたからね(いやあれはあれで悪くなかったけど/笑)。

ワガママで気分屋でそして美しい富豪の放蕩息子、誰もが彼を見つめて羨望の溜息を漏らす、という。こういう役に使ってこそこの人の美貌が生きるんじゃないかなあ。これに比べたら「ミュージック・フロム・アナザー・ルーム」とか「スターリングラード」みたいな硬派で純朴な役はちょっと物足りなく感じてしまうというか、だってそういうのは別にジュードでなくても出来るじゃん?
それにディッキー役に当節風な人気俳優ではなくてジュード・ロウみたいなオーソドックスなタイプのハンサムを持ってきたことはこの「リプリー」という作品にとっても非常な成功だと思うのね。つまりこれは「太陽がいっぱい」とは別の映画なんだから。「太陽がいっぱい」のリメイクではなくて、ただ同じ原作を基にしたというだけの別の作品。まず殺人の質が違うし。アラン・ドロンはディッキーの立場を羨んで彼を殺したけれどもマット・デイモンはどちらかというとディッキー本人を愛するが故に殺してしまった。っていきなり大いなるネタバレですみません。

全編にわたって演出が象徴的な気がしました。列車の窓ガラスに映った二人の姿を重ねたりピアノに映った影を分裂させたり頭部の彫刻がゴロゴロ転がってこっちを向かせたりとか。監督は象徴主義と見た(笑)。ディッキーはあらゆる要素を完璧に固めて徹底して輝かせ、逆にリプリーはどこまでも惨めに描いておとしめる。ディッキーにはジャズ、リプリーはクラシック。ディッキーにはサックス、リプリーにはピアノ。ディッキーにはマージ、リプリーにはメレディス……、…ディッキーは太陽、リプリーは陰。いや、これねえ、この映画、公開時のコピー知ってます? 「太陽に焦がれて 月は彼になろうと ひたすら重なる… 罪深き日蝕(エクリプス)」
「罪深きエクリプス」! 素晴らしい。ほとんどネタバレだよ。このコピー書いた人は実に正しく監督の意図を汲み取っていらっしゃる。



頻出するこの帽子姿にちょっと「ロード・トゥ・パーディション」のマグワイア役を思い出してしまったことは内緒。ごめんジュード。 まままマット!そんな露骨に!(しかもいつもやってたのか!) 相変わらずの化けっぷり、ケイト・ブランシェット



マット・デイモンも良かったです。ジュードファンなわたくしとしては、彼が殺されて出てこなくなっちゃう後半に耐えられるかしら?などと不安を抱いていたのですが、マット君がなかなか堂に入った気色悪さを見せてくれたので(←誉めてます)最後まで退屈しませんでした。なんか本当に垢抜けない人に見えたよ。鬱屈した感じの押さえた喋り方なんてすごく雰囲気出てたなあ。冒頭の海岸シーンで着用してた蛍光グリーンの水着には度肝を抜かれましたが。あれはさすがに趣味悪いっすよミスター・リプリー。

あとちょっと面白いなと思ったのは、DVD特典のインタビューで知ったんだけど、監督のアンソニー・ミンゲラ氏は「クロコダイルの涙」のジュードを見て彼に目をつけたんですって! いやー気が合うねミンゲラ! 同志! 何を隠そう私がジュードに惚れたのもあの映画だよ。はっきり言ってあれはホラーとしてもサスペンスとしてもえらく中途半端だったけど、でもあの時のジュード・ロウは何だかわからんがたまらなくツボだった。「クロコダイルの涙」のプロデューサーがミンゲラ監督の奥さんなのだそうです。
そしてタイミングよろしいことにジュードの次回作もミンゲラ監督が撮ってます。つうか、ミンゲラ監督の新作にジュードが出てると言うべきか。まあどっちでもいいや。早く見せてくれ。


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ということで(←こじつけ)、ジュード君ハッピーバースデイ!…ってコレが言いたかったんだよ。本日12月29日がお誕生日だそうです。やっと30歳。意外と若いよね。…とか言いつつ私もじきに追いついてしまうのか…ぐは。
来年も元気で頑張ってね。そしてその美貌をじっくり拝ませてくださいフフフ。お誕生日おめでとうー。




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リプリー 【THE TALENTED MR. RIPLEY】 

1999年 アメリカ / 日本公開 2000年
監督:アンソニー・ミンゲラ
出演:マット・デイモン、グウィネス・パルトロウ、
ジュード・ロウ、ケイト・ブランシェット
(DVD鑑賞)


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