兎に角日記
三日に一度は兎に角と書いてしまう。

2002年10月12日(土) 止める勇気が無い

人に「それはダメだ、やめとけ」と言うのは結構難しい。
私は人に嫌われたり疎まれたりするのが苦手な、大変に臆病な性質なので、自分の意見と言うものをはっきりすっかりきっぱり相手に伝えるのが怖いのである。

友人が、会うたびに怪しい方向へ行っている。
久しぶりに会ったらば、ヤクザ系列のヤバイ不動産会社に勤めていた。
話を聞くだに、違法ではないがちょっと…すれすれらしい。
私が「ヤクザと言うものはこの世には必要なものらしいね」と言うと
相手は「でしょう? そうなんだよ。どこでも必要なんだよ」と、少し得意げに言った。
……ちょっと悲しくなった。
私が「けれども、何事かを取りまとめていても、やっぱりヤクザはヤクザなんだよ」と言ったら
「そうだね」
と、笑顔を引っ込めた。
その後は、少し怒っているのか、「悪い事をするのは下っ端なんだ」と言った。

この程度だ。
いつもこの程度しかいえないのだ。
何で、「やめろ」と言わないんだろう。

この相手という人とは中学からの付き合いをしているが、どこか不思議な雰囲気を持っている人だ。何でもかんでも、この人の人生は何とかなるような気がしてくるのだ。
但しそれは、自分で何とかするのではなく、人に寄りかかって頼って、流されるまま生きて、上に向かってではなく、最近では特に明らかに下に向かっている。

お水の商売をするのもいいだろう。ヤクザに入るのだって、本人の自由だ。
自由だと頭では分っているが、それはやっぱりまっとうな職業じゃない。
格好いいけれど、格好悪い職業だ。
表通りを歩くには、適さないと自覚していなければいけない職業だ。
お水はそうでもないけれど、ヤクザはそうだろうと思う。

そう、伝えては見たけれど、仕事をやめる事は無いだろう。その人のやっていることはまっとうな給料の入る、まっとうな事務仕事だ。
その母体がどんな事をしていようと、後は、自分のしている事が、一体どんなものなのかを頭を上げて前を向いて、はっきり言えるならそれで、いいんだと思う。
私だったら、いえないが。

かといって、
「バカやろう! そんな仕事はやめちまえ!!」
とも、言えない。

では、また明日。


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