一日後記

2008年02月18日(月) 寒空の下。

昼頃、徒歩で隣町まで出た帰りのことだ。


大通りから少し離れた道幅3mほどの道路を行こうとしたところ
車道の真ん中付近を車椅子で移動しているおじいちゃんが見えた。
どうやらすぐ傍ににある病院から一人で抜け出したらしく
この寒空にパジャマだけの格好。

一方通行とはいえ周囲にはスーパーもあり
トラックも通れば乗用車も通る。
案の定おじいちゃんの車椅子の後ろには
抜くに抜けずに2台、車が連なっていた。

しかし誰もそのおじいちゃんに手を貸そうとしない。
周囲に人がいなかったわけでもなく
皆目に入っているはずなのに
せめて車道と歩道の柵の切れ目まで押してあげてもいいだろうに
どうしてだろうと不思議に思う。
そんなに世の中が忙しいのかしらとも思う。

『危ないから押しますね』
そう言って後ろからハンドルを握り
とりあえず車道の端に車椅子を寄せ、後ろに並んだ車を見送りながら
おじいちゃんの目的地を聞くと20m先の郵便局。
どうせすぐそこだし、また車道中央に出ても危ないので
そのまま押していくことにした。
ふと下を見ると、右足にギプスが巻かれている。


スロープを登って局内に入ったところで
『もうここで結構ですよ。本当にありがとうございました。』
そうおっしゃるので、大丈夫かなと少し心配になって尋ねたが
『大丈夫、大丈夫』と繰り返すだけ。

結局そこでおじいちゃんとは別れた。


そういえばお互い、顔を見ないままだったなと気付いたのは
帰宅して暫く経ってからだった。



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