文
- 花ざくろ
2004年03月12日(金)
膚(はだ)を染み上る朱を 追い立てるように落としましょう 色付くまえのささやかな体を 何に見ましょう 花か実か
いつまでも枝にしがみついている君に用はない 夕焼け・道に・つつましく 所在なさげにうずくまる 彼女のような人がいい ひろって遊ぼう ままごとしましょ
綺麗に染まった子を択んで お弁当箱につめましょう 川原で待ってるあの子の好きな 花がすりの手巾でおめかしさせて 両腕に抱えて連れて行こう ふくらみきらない気持ちも込めて
膚を開けば一面の薄朱(うすあか) 咲け咲け、喜びを歩き考える お弁当箱のふたを開けたら はじけるものは 花か実か
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